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第261回:ふるさと納税「ポイント祭り」終了

2025年9月18日

「実質2,000円の負担で、全国の特産品が手に入る」。すっかりお馴染みになったふるさと納税ですが、2025年10月1日から制度が大きく変わることをご存知でしょうか。特に、今年2025年9月末には、多くの方が利用してきた「ポータルサイトのポイント付与」が終了するという大きな節目を迎えます。
「まだ大丈夫」と思っていると、気づいた時には手遅れに…なんてことも。今回は、目前に迫った制度改正のポイントと、これから私たちがどう向き合っていけばいいのかを分かりやすく解説します。

 

そもそも「ふるさと納税」ってどんな仕組み?

本題に入る前に、ふるさと納税の基本的な仕組みを簡単におさらいしましょう。
ふるさと納税は、私たちが自分で選んだ自治体へ「寄附」をすると、そのお礼として地域の特産品などの「返礼品」がもらえ、さらに寄附した金額が翌年支払う税金から控除される制度です。最終的な自己負担は一律2,000円になるように設計されているため、「お得な制度」として広く知られています。
※2,000円で収まるのは、年間の控除上限の範囲内で、確定申告またはワンストップ特例の手続きを完了した場合です。さらに詳しく知りたい方は、過去に公開している【第222回:ふるさと納税の概要と実際の手順】をご参照ください。

 

【最重要】2025年9月末以降、ポータルサイトの「ポイント」が付かなくなる

今回の制度改正で、最も大きな影響があるのがこの変更です。

▽いつから?

 2025年10月1日から

▽何が変わる?

「楽天ふるさと納税」や「ふるなび」といった仲介サイト(ポータルサイト)が、サイト独自に付与しているポイントやギフト券などの上乗せができなくなります。
これまで多くのサイトでは、「寄附額の〇%ポイント還元!」といったキャンペーンを頻繁に行っており、これを活用することで実質的な自己負担を2,000円以下に抑えることも可能でした。しかし、2025年10月1日以降は、こうした「お得な上乗せ」が利用できなくなります。

▽注意点:すべてのポイントがなくなるわけではない!

今回禁止されるのは、あくまでポータルサイト独自の付与です。寄附の支払いに使ったクレジットカード会社から付与される通常ポイントやマイルは対象外と案内されています。今後はこちらのポイントをいかに活用するかが、お得さを追求する上での鍵となりそうです。

▽どうする? 私たちの取るべきアクション

ポイント付与の終了期限は2025年9月30日です。ポータルサイトのポイント還元を最大限に活用したいのであれば、この日までに寄附を済ませるのが賢明な選択と言えるでしょう。9月に入ると、同じことを考える人たちによる「駆け込み需要」で人気の返礼品が品切れになる可能性も十分に考えられます。

▽さらに未来の話:2026年からの変更点

今回の改正はポイントだけではありません。2026年10月からは、さらに本質的なルール変更が予定されています。

「地場産品」のルールが厳しくなる

これまでは、熟成肉と精米を除き、原材料を区域外から仕入れても、製造・加工等の工程のうち主要な部分を区域内で行っている場合には返礼品として認められていました。今後は、区域(市区町村など)内で付加価値の過半が生じていることの証明が求められるなど、「本当にその地域で価値が生まれているか」が重視され、ルールがより明確になります。

▽「経費」の扱いは“厳格化”というより透明化の強化

自治体が返礼品の調達や事務作業に使える金額の上限は据え置きです。一方で、自治体が1つの支払先に年間100万円以上の募集費用を支払った場合、その支払先・金額・目的の公表が義務化されます(初回公表は2026年9月予定)。その結果、一部の返礼品で内容量や寄附額の見直しが生じる可能性はあります。

これらの変更は、ふるさと納税の「お得感」を少し抑制し、より一層「地域への貢献」という側面を重視する方向へ制度を導くものと言えるでしょう。

 

まとめ:これからのふるさと納税との付き合い方

一連の制度改正は、ふるさと納税が新たなステージに入ることを示しています。 ポイント還元率を比較して最もお得な選択肢を探す時代は終わりを告げ、これからは「どの地域の、どんな取り組みを応援したいか」という純粋な気持ちが、寄附先を選ぶ上でより大切な基準になっていくはずです。
まずは、残された期間で現在の制度のメリットをしっかりと活用しつつ、新しいルールの中での自分なりの楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

【参考】総務省|ふるさと納税の指定基準の見直し等