2020年9月16日
皆さま、こんにちは。
今回の経理トピックは、個人住民税を特別徴収(給与天引き)している会社で、
『退職・転勤・休職・死亡等(以下「退職等」という)』または『中途採用』があった場合に、経理担当者はどのような手続等をする必要があるのか、簡単に概要を解説いたします。
1.退職後の住民税の徴収方法
1) 6月1日から12月31日までに退職等をした場合
- 本人より一括徴収の申し出があった場合。
給与または退職手当等から、翌年5月までの未徴収税額を徴収します。 - 普通徴収に切り替える場合(翌年5月までの未徴収税額は、従業員が自ら納付します。)
退職月分までを徴収します。 - 転職先で特別徴収を継続する場合
一括徴収が義務付けられています。給与または退職手当等から、未徴収税額を徴収します。
給与所得者異動届出書に、徴収済月を6月分から5月分までと記載し、新年度(6月から5月)は普通徴収へ切り替える異動届出書を提出します。
2)1月1日から4月30日までに退職等をした場合
一括徴収が義務付けられています。給与または退職手当等から、未徴収税額を徴収します。
※未徴収税額を超える給与または退職手当等の支払が無い場合は、1)2の方法と同様になります。
3) 5月中に退職等をした場合
給与所得者異動届出書に、徴収済月を6月分から5月分までと記載し、新年度(6月から5月)は普通徴収へ切り替える異動届出書を提出します。
2.「給与所得者異動届出書」の提出
1)退職・休職の場合
退職日・休職日の属する月の翌月10日までに、市区町村に「給与所得者異動届出書」を提出します。
2)転勤の場合
新しい事業主(転勤先)にて特別徴収を継続する場合は、「給与所得者異動届出書」を新たな給与の支払者(転勤先)を通じて、従前の勤務先を異動した日の翌月10日までに市区町村に提出します。
(次の勤務先が決まっていない場合は「退職・休職の場合」と同様となります。)
【参考:転勤の場合の異動届出書提出の手順】
- 作成
現在の(従前)の給与支払者(特別徴収義務者)
現在の給与支払者の情報、異動者の年税額、徴収済額、未徴収税額などを記入 - 経由
新たな給与支払者(特別徴収義務者)
新たな給与支払者の情報、徴収開始月などを記入新たな給与支払者(特別徴収義務者) - 市区町村へ提出
3)中途採用をした場合の手続、徴収方法
普通徴収から特別徴収に切り替える場合は、「特別徴収切替依頼書」を市区町村に提出し、市区町村によって再計算された月割額を徴収します。 ※普通徴収の納期限を過ぎた分は、切替ができません。年の途中で従業員が入社した場合は、前職の退職時の手続に応じて対応します。
3.その他
死亡により退職した場合
相続人が普通徴収の方法により納めます。
国外転出の場合納税管理人を定め普通徴収に切り替える場合は、「納税管理人申告書」または「納税管理人承認申請書」を市区町村に提出します。
出国予定の方の未徴収税額を一括徴収する、もしくは納税管理人を定めて普通徴収に切り替えます。
(注1)手続書類の名称は各市区町村によって異なる場合があります。
4.まとめ
市区町村ごとに期限や書類の様式等、手続が異なる場合がありますので、まずは一度市区町村へご確認のうえ進めることをお勧めいたします。ご不明な点等ございましたら、チェスナットへお気軽にお問合せください!
住民税特別徴収の概要を解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
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