第58回:「チャージ代の経費精算」について
2018年1月29日
今回の経理トピックは、「チャージ代の経費精算」についてご紹介いたします。
電子マネーの普及
会社の経費精算で、電子マネーでの支払精算や電子マネーへのチャージ代がまわってくるのは普通になりましたが、間違った精算をされているケースはありませんか?経理として、電子マネー利用時の精算を正しくおこなうためのポイントについてみていきましょう。
主要電子マネー16種類の発行枚数ランキング(月刊消費者信用2016年9月号掲載)では、楽天Edyが9,710万枚でダントツの1位でした。会社の経費精算によくまわってくるのは、Suica(3位
5,859万枚)・PASMO(5位3,128万枚)・nanaco(4位 4,912万枚)あたりではないでしょうか?
交通機関利用時の旅費交通費、コンビニでの備品購入時チャージ払などが立替精算で考えられます。
チャージ料金は経費にできない
本来、電子マネーへのチャージ代を経費として処理することは出来ません。なぜなら、チャージしただけでは『役務の提供』(サービス)をまだ受けていないからです。この時点では、お金を預け入れただけとなります。そのため経理処理としては、貯蔵品に計上することとなります。
ただ実務では便宜上、チャージした際に経費計上しているところも多いかと思います。その際には、チャージ代にプライベートな支出が含まれていないか確認する必要が出てきます。交通系ICカードもコンビニや店舗、自動販売機など利用可能な場所が増えています。単純に交通費として処理していると、個人利用の分まで会社の経費として処理されるケースも考えられます。
明細の保管
交通系ICカードの利用については、利用明細を保管するようにしましょう。駅のチャージ機で、明細を印刷することが可能です。なかにはネット経由で利用明細をダウンロード出来るものもあるようです。通常の旅費精算と同じように、日時や区間、往復料金と訪問先などを明確にしておく必要があります。チャージ分の交通利用精算については、社内でルール化しておくとトラブルがなくなります。
また、交通系ICカードへのチャージ代を交通費以外に利用しないよう周知徹底することも、正しい会計処理に繋がりますので検討してください。
経費の二重計上
経理処理で問題になるのが二重計上です。電子マネーへのチャージ代を精算し、電子マネーで支払った領収証も精算されると経費の二重計上になりかねません。実務では割と多く見かけられるので、経理担当者は注意が必要になります。領収書には支払時の明細が印字されますので、電子マネーで支払ったかどうかの確認が可能です。ただし手書きの領収書を発行された場合は、電子マネー利用についての確認が出来ませんので注意が必要です。
チャージ代の精算と二重計上への対策を心がけて、正しい経費精算をおこないましょう。
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