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第249回:育児・介護休業法改正の段階的施行について

2025年1月20日

皆さま、こんにちは。
年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。本年もよろしくお願いいたします。
今月の労務トピックは、「令和7年4月~ 育児・介護休業法改正の段階的施行について」法改正の概要と、改正に向けて対応すべきポイントをご案内します。

 

概要

令和6年5月に育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法が改正されており、この改正法が、令和7年4月1日から段階的に施行されます。
改正の概要は以下のとおりです。

1 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
2 育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化
3 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等

 

詳細

上記概要について、いくつかピックアップして詳細をお伝えします。

1. 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充(下図参照)

① 所定外労働の制限(残業免除) ※令和7年4月1日施行
 対象が、3歳に満たない子 → 小学校就学前の子を養育する労働者に拡大

② 子の看護休暇→子の看護「等」休暇に変更 ※令和7年4月1日施行
 対象:小学校就学前 → 小学校3年生
    継続雇用6ヶ月未満の従業員は、労使協定があっても除外不可に。
 取得事由:病気・けが・予防接種・健康診断 → 感染症に伴う学級閉鎖・入園/入学/卒園式を追加

③ 3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対して、以下の内、事業主が2つ以上の措置を選択して講じる。労働者はその中から1つを選択して利用することができる ※令和7年10月1日施行
 「始業時刻等の変更」「テレワーク(10日以上/月)」「短時間勤務」
 「養育両立支援休暇付与(10日以上/年)」「保育施設の設置運営等」の中から2つ以上行う。

④ 妊娠・出産の申出時、子が3歳になる前に、以下について労働者の意向を個別に聴取
 ※令和7年10月1日施行
 ・勤務時間帯(始業・終業の時刻)
 ・勤務地
 ・両立支援制度等の利用期間
 ・仕事と育児の両立に資する就業の条件(業務量、労働条件の見直し等)
 聴取の方法は、面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれかです。

 

2.育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化

 ※令和7年4月1日施行
・現行では、従業員1,000人超の企業に育児休業等の取得の状況を公表することが義務付けられていますが、従業員数300人超の企業に拡大されます。

 

3.介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等

 ※令和7年4月1日施行
① 介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
 (※面談・書面交付等による。)
② 介護に直面する前の早い段階(40歳等)での両立支援制度等に関する情報提供や、
 仕事と介護の両立支援制度を利用しやすい雇用環境の整備
 (※研修、相談窓口設置等のいずれかを選択して措置。)
③ 介護休暇について、引き続き雇用された期間が6か月未満の労働者を労使協定に基づき除外する
 仕組みを廃止
④ 家族を介護する労働者に対し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容にテレワークを追加

 

切り替えに向けた準備

施行日前に、就業規則改定、従業員様への周知が必要となります。
現行の就業規則の確認をお願いいたします。

いかがでしたでしょうか。
法改正まであと2ヶ月と少し、今のうちに準備を行っておきたいですね。
法改正の施工は段階的な実施ですが、規程の改定は一度に作成された方がよいでしょう。
ご相談等ございましたら、ぜひチェスナットにお問い合わせください。

【参考資料】
■育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 及び 次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律の概要
■育児・介護休業法 改正ポイントのご案内|厚生労働省
■2024(令和6)年改正ポイント|育児休業特設サイト|厚生労働省