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第243回:特別休暇を設ける際のポイント

2024年10月16日

皆さま、こんにちは。

10月の第2月曜日は「体育の日」です。 体育の日が制定されたのは、東京オリンピックの後。10月10日がオリンピックの開会式だったことに由来しています。
その後ハッピーマンデー制度により、10月10日から第2月曜へと変更されました。
ついついデスクワークが多くなってしまいますので、たまには体を動かして、健康づくりに心がけたいものです。

今月の労務トピックは、「特別休暇を設ける際のポイント」についてご紹介します。

働き方改革関連法により、2019年4月から年10日以上の有給休暇が付与される従業員すべてに対して、年に少なくとも5日間の有給休暇を時季指定して取得させることが義務づけられました。
多くの会社様では、年次有給休暇のほかにも従業員に慶弔が生じた際などに休暇を与える任意の「特別休暇」を設けています。特別休暇を導入することには、ワークライフバランスを保ちやすくなる、生産性向上を期待できるなどのメリットがあります。特別休暇の安定的な運用を行うには、細かな取扱いのルールを決めておくことが重要です。
以下では、その取扱いルールを規定する上でのポイントと、特別休暇について取り上げます。

 

特別休暇の種類

厚生労働省作成のパンフレット「特別休暇制度導入事例集2023」では、特別休暇を以下の4つに分けています。

1.年次有給休暇の取得促進に資する特別休暇
例:病気休暇(有給)
2.予測できない事情に備えた特別休暇
例:裁判員休暇・犯罪被害者等の被害回復のための休暇・災害休暇
3.従業員の多様な活動を支援する特別休暇
例:ボランティア休暇・ドナー休暇・自己啓発休暇
4. 子育て世代を支援し、子育てを社会全体で行う機運を醸成する
例:孫休暇

 

特別休暇を設ける際のポイント

休暇は就業規則への必要記載事項になることから、特別休暇を設ける場合、就業規則等へ規定する必要があります。その際に検討するポイントとして、以下の項目が挙げられます。

1.特別休暇を取得できる従業員の範囲

特別休暇はその趣旨に基づき、対象者を決定することが必要です。例えば、勤続1年以上の従業員や試用期間満了後の従業員など、対象者を限定することが可能です。

2.特別休暇の対象となる事由と休暇日数

従業員の結婚や配偶者の出産、身内の不幸など、特別休暇の対象とする事由(取得目的)は様々です。会社において特別休暇を設ける事由や、そのときの休暇日数を検討します。

3.特別休暇取得時の賃金の取扱い

年次有給休暇を取得したときには、その名称のとおり、有給休暇として「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」等の支払いが会社に求められます。一方で、特別休暇を取得したときの賃金の取扱いについては、会社が自由に定めることができます。一般的に慶弔に関する特別休暇は、祝福やお悔やみの意味から有給とする会社が多いことを前提に取扱いを検討するとよいでしょう。

 

特別休暇の運用において、複数日取得できる休暇を分割して取得する申し出があったり、事由が発生した日から相当程度の期間をおいて取得する申し出があったりと、会社が対応に困ったというケースもあるでしょう。この機会に、過去の事例を振り返り、規定を見直してもよいかもしれません。
特別休暇は、その企業独特の文化でもあるため、上手く活用していただけると良いと思います。

ご不明点等ございましたらお気軽にチェスナットへお問い合わせください。

 

参考:特別休暇制度導入事例集2023(令和5年度)