2023年12月19日
皆さま、こんにちは!
今年も残りわずかとなりますが、皆さまは年初に掲げた目標は達成できたでしょうか。
私は達成出来た目標と、出来なかった目標がありますが、進捗を常に意識して進めることが大事だと感じました。
インフルエンザも流行っておりますので、体調に気を付けてお過ごしください。
今回は、2024年4月改正の「労働条件明示のルール」について、「全ての労働者」を対象とした改正を取り上げて解説します。
- 全労働者を対象とした変更
◇就業場所・業務の「変更の範囲」の明示 (改正労基則第5条第1項第1号の3)
労働条件通知書の明示事項である「就業場所」と「業務の内容」は、現在は雇入れ直後のものを明示すれば足りるとされていますが、2024年4月以降は、これらに加えて「就業場所・業務の変更の範囲」の明示が必要となります。
- 就業場所・業務の変更の範囲の記載方法
今回追加となる「就業場所・業務の変更の範囲」とは、今後の見込みも含め、その労働契約の期間中における就業場所や従事する業務の範囲のことを指します。そのため、将来の可能性も含めた上で、その範囲を明示していくことになりますが、就業場所・業務がどの程度限定されるかによって、記載が異なります。
また、労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務、いわゆるテレワークを雇入れ直後から行うことが通常想定されている場合は、「雇入れ直後」の就業場所として、また、その労働契約期間中にテレワークを行うことが通常想定される場合は、「変更の範囲」として
明示してください。具体的には、労働者の自宅やサテライトオフィスなど、テレワークが
可能な場所を明示するようにしましょう。
以下ではいくつか記載例を紹介します。
1.就業場所・業務に限定がない場合
就業場所
(雇入れ直後)○○営業所 (変更の範囲)会社の定める営業所
従事すべき業務
(雇入れ直後)○○に関する業務 (変更の範囲)会社の定める業務
2.就業場所・業務の一部に限定がある場合
就業場所
(雇入れ直後)○○営業所 (変更の範囲)◇◇県内の営業所
従事すべき業務
(雇入れ直後)○○企画業務 (変更の範囲)本社における○○または△△の企画業務
3.就業場所や業務の変更が想定されない場合
就業場所
(雇入れ直後)○○営業所 (変更の範囲)○○営業所
従事すべき業務
(雇入れ直後)○○企画業務 (変更の範囲)○○企画業務
正社員については、上記1.の「就業場所・業務に限定がない場合」に該当することが多いかと思いますが、「会社の定める営業所」「会社の定める業務」と記載するほか、変更の範囲を一覧表として添付することも考えられます。
後になってトラブルとならないように、できる限り就業場所・業務の変更の範囲を明らかにし、労使で共通認識を持つことが求められます。
- 適用のタイミング
今回の改正は、2024年4月1日以降に締結される労働契約から適用されます。
そのため、2024年4月1日入社の従業員について、2024年3月31日以前に労働契約を締結する場合は改正前のルールが適用され、新たな明示ルールに基づく明示は不要です。
なお、労働条件に関する従業員の理解を深めるために、2024年3月31日以前から新たなルールにより対応することは、望ましい取組とされています。
改正点については、(参考)の厚生労働省発行のパンフレット「2024年4月からの労働条件明示のルール変更 備えは大丈夫ですか?」にも記載例が紹介されています。早めにどのように記載するかを検討し、労働条件通知書のひな形を直しておきましょう。
ご不明な点がございましたら、チェスナットへ是非お問い合わせください。
(参考)
【有期雇用労働者を対象とした変更】
〇更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限) の有無とその内容の明示 (改正労基則第5条第1項第1号の2)
〇無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会) の明示
〇無期転換後の労働条件明示(改正労基則第5条第5項・第6項)
(参考URL)
リーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります。」
パンフレット「2024年4月からの労働条件明示のルール変更 備えは大丈夫ですか?」
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