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第216回:R6年4月1日施行 明示すべき労働条件について

2023年9月19日

皆さま、こんにちは。

まだまだ暑さが残るこの季節、いかがお過ごしでしょうか。夏の疲れが出やすい時節ですので、くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛ください。

 

さて、今月の労務トピックは令和6年4月から変更になる「募集時の労働条件の明示ルール」をご紹介します。求人を行う際に注意すべき点になるので、早めの対応が必要です。

 

1.従事すべき業務の変更の範囲

2.就業の場所の変更の範囲

3.有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は更新回数の上限を含む)

 

募集を行う際の労働条件の明示について、以下で詳しくご説明します。

 

  • 業務・就業場所の変更の範囲の明示

求人を行う際には、「業務内容」と「就業場所」という2つの労働条件を明示する必要があります。現在は、それぞれ雇用開始直後の内容を明示することが求められていますが、令和6年4月以降は、これに加えて「業務内容の変更の範囲」と「就業場所の変更の範囲」も明示する必要があります。この変更の範囲は、将来的な業務変更や配置転換を含む、労働契約期間中の変更を考慮したものです。

 

例えば、雇用開始直後は法人営業を担当する予定であるが、契約期間中に製造業務を除く業務全般に関わる可能性がある場合、変更の範囲には「製造業務を除く当社業務全般」などと具体的に明示します。

 

  • 有期労働契約を更新する場合の基準

令和6年4月以降、有期契約労働者を新たに雇用したり、契約を更新する場合、更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容を明示する必要があります。また、労働契約の更新があり得る場合、その判断基準も明示する必要があります。求人を行う際も同様に、労働契約の更新を「あり」とする場合、この更新の判断基準を明確に示す必要があります。

 

  • 明示する際の注意点

令和6年4月以降、ハローワークへの求人申込みや自社のウェブサイトでの募集など、求人情報を公表する際には、上述した内容を求人票や募集要領に明示する必要があります。ただし、スペースの制約などで全ての詳細を記載できない場合は、「詳細は面談時にご説明いたします」といった表記を加え、別のタイミングで説明することも可能です。ただし、原則として、面接などの最初の接触時までには、全ての労働条件を明確にすることが必要です。

 

もし、現場単位で求人を行っている場合は、明示すべき項目が適切に網羅されているかを確認・管理する必要があります。今の段階で、求人の社内プロセスを整理しておくことをお勧めいたします。

 

<厚生労働省HP>

職業安定法施行規則改正|労働条件明示等|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

<求人企業の皆さまパンフレット>

001114110.pdf (mhlw.go.jp)

 

いかがでしょうか。

この改正で、当該事業者の多様性、発展性、つまり業務・就業場所の広がりを入社時に説明することが求められています。私は対話が円滑な労使関係を創造すると考えています。今回の改正を「対話」の一つとして活用頂けるとよいと思います。

 

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