2023年6月19日
皆さま、こんにちは。
領収書の宛名が空欄や上様(以下、宛名なしの領収書)の場合、これらの領収書の取扱いについて悩むことはありませんか?
そこで今月の税務会計トピックは、「宛名なしの領収書の取扱い」について説明します。
宛名なしの領収書は、支払証明書として認められる場合と、認められない場合があります。
それでは詳しく説明していきます。
- 経理上における取扱い
まず、経理処理において経費計上は可能です。また、レシートも宛名がないため同様です。
- 消費税法上における取扱い
課税事業者が消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、消費税法で定められた次の5つの事項が記載された領収書が必要です。
⑤の記載がない、つまり宛名なしの領収書は、原則領収書として認められません。
ただし例外がいくつかあり、例えば小売業、旅客運送業、旅行業、飲食業、駐車場業の5つの事業に関しては、宛名なしでも領収書として認められます。
(例)鉄道・バス・タクシー(旅客運送業)、コインパーキング(駐車場業)など
仕入税額控除の適用を受けるためには、受取った領収書に上記5つの事項が記載されているか、必ず確認しましょう。
インボイス制度導入後は、インボイス番号も必要です。
- 税務調査における取扱い
経理上認められる宛名なしの領収書であっても、例えば高額な取引の領収書に宛名がない場合、税務調査で細かく追及される可能性があります。
領収書に宛名を正しく記載してもらう方法として、名刺を見せる、会社名を記入したメモを渡すといいでしょう。
また、宛名以外の但し書きも同様に、内容が不明瞭な場合は税務調査で細かく追及される可能性があります。
但し書きは、お品代ではなく、飲食代、書籍代、お花代、贈答品代など、何に対する支払いか第三者にもわかるよう、具体的な内容を記載してもらうようにしましょう。
事業の経費であることを説明できる内容を備えておくことが重要です。
- まとめ
宛名なしの領収書は、経理上認められますが、消費税法上の取扱いや、税務調査でのリスクを考慮すると、領収書を受け取る際は、宛名だけでなくすべての記載内容が正しいか、確認するよう心掛けましょう。
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