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第199回:冬季うつ病について

2023年2月15日

寒い日が続いていますが、皆さまお元気ですか?

私は朝方の冷え込みに負け、お布団を出るのがつらい毎日ですが、できることなら心も体も万全な健康状態でお仕事と向き合いたいですね。

今回の労務トピックは、冬季うつ病について、お話しします。

 

全国健康保険協会(協会けんぽ)の令和3年調査

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/cat740/c2022101201.pdf)によると、傷病による欠勤補償である傷病手当金の受給原因は、「精神及び行動の障害」が32.96%と最も高かったそうです。中でも、25~29歳では50%を超えているそうです。

身体のご病気はもちろん、心の不調も深刻な問題となっています。

 

  • うつ病について

心の不調というと、まず思い浮かぶのがうつ病ではないでしょうか。うつ病とは、精神的・身体的ストレスを背景に脳がうまく働かなくなっている状態です。一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。日本では、100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験しているという調査結果があるそうです。

 

  • 冬季うつ病について

そんなうつ病にも様々なタイプがありますが、今の季節多いのが冬季うつ病です。冬季うつ病は医学的に使われている言葉ではありませんが、アメリカの診断基準ではうつ病のひとつのタイプとして「季節型」として分類されています。気分の落ち込みなどの主な症状は通常のうつ病とほとんど差はありません。異なるところは、通常のうつ病では、不眠や食欲の低下なども症状に現れますが、冬季うつ病では「寝ても寝ても眠い」「食欲が増えて体重が増加する(とくに炭水化物)」といった症状となることが多いです。10~11月頃からうつ症状が始まり、春先の3月頃に回復する、というパターンを繰り返すことが特徴です。

そんな冬季うつ病の主な原因は、日差しが減少することによるセロトニン不足と言われています。

 

  • 冬季うつ病の症状を感じたら

冬季うつ病の予防法としては、「積極的に日光を浴びる」「適度に運動をする」「タンパク質青魚を食べる」といった方法があります。心の不調には様々な種類があるため、冬季うつ病かも、と感じたら自己判断で終わらず、医療機関を受診して適切に治療を受けましょう。

 

  • 傷病によって休職された場合の注意点

チェスナットでも、冬季うつ病など心の不調のため休職される従業員様について、ご相談をいただく機会が多くあります。特に、「心の不調で休職された従業員様をどのように復職させたらよいかわからない」といったお声があります。

復職の際は、当該従業員様に、医師の診断書を提出いただき、産業医と面談をしていただきます。会社は、産業医から面談後に意見を聴取し、最終的に復職の可否を判断します。

厚生労働省『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』(https://www.mhlw.go.jp/content/000561013.pdf)には、復職可否の判断基準の例として、挙げられています。

こういったポイントを判断するために、リハビリ勤務をされるとよいと言われています。

復職は、原則休職前の業務(原職)に復帰させますが、従業員様の治癒の状況や職場での業務上の都合によっては、原職以外の業務を行わせることもあります。後に争いにならないよう、その旨を就業規則に明記されることをお勧めいたします。

 

いかがでしたでしょうか。

誰にでも体の不調は起こり得るものです。心身の不調、それによる休職が起こった場合も、スムーズな対応ができると、安心して働ける職場として、採用・定着によい影響がでます。備えて、日頃から就業規則を確認しておきましょう。「休職・復職に関して明確な規定がない」「実態に則していない就業規則である」など、就業規則についてご不安な点がございましたら、ぜひチェスナットまでご相談ください。

 

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