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第169回:4月1日施行「育児介護休業法の改正」について

2022年4月20日

皆さま、こんにちは!

新年度の時期となりました。今回も皆さまのお役に立てるよう、タイムリーな労務情報を発信します。

今月の労務トピックは、4月1日に施行される「育児介護休業法の改正」についてです。

 

2022年4月・10月に、育児介護休業法が段階的に改正されます。
■2022年4月1日改正内容
1. 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化

2. 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

■2022年10月1日改正
1. 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設

産後パパ育休とは、

男性従業員が、育児休業制度とは別に、子の出生後8週間以内に分割して2回まで、休業期間としては合わせて4週間まで、取得することができる制度です。

2. 育児休業の分割取得(原則、子が一歳に到達するまでに原則2回まで)

 

今回はこのうち、4月1日施行の改正内容についてお伝えします。

 

1. 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化
<雇用環境整備について>

育児休業と産後パパ育休の申し出が円滑に行われるようにするため、事業主は次のうち1つ以上の措置を講じなければなりません。

① 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施 (少なくとも管理職には研修を受けたことがある状態にする。)

② 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(実質的な対応が可能な相談窓口を設置・周知する)

③ 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供(書類配布/イントラネット掲載、労働者が閲覧できるようにする)

※閲覧可能とすることで、育児休業申出を控えることにつながらないように配慮する。

④ 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知(事業主の方針を記載したもの(ポスターなど)を、事業所内やイントラネットへ掲示する。)

 

4つの措置の中から導入しやすいものを選び、資料を活用しながら整備を進めていくことをお勧めします。

以下、厚生労働省ホームページ掲載資料をご活用下さい。

社内研修用資料・動画(https://ikumen-project.mhlw.go.jp/company/training/

事例紹介、制度・方針周知ポスターの例(000852936.doc (live.com)

 

<個別の周知・意向確認について>

本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は育児休業制度等に関する以下の事項の周知と休業の取得意向の確認を、個別に行わなければなりません。

①育児休業・産後パパ育休に関する制度

②育児休業・産後パパ育休の申し出先

③育児休業給付に関すること

④労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

 

周知・意向確認には、厚生労働省のパンフレット案(000852934.doc (live.com))等の資料を参考とし、対象従業員に面談(リモート含む)で直接ご説明・意向確認をすることをお勧めいたします。面談以外の方法として、従業員希望の場合は書面交付、つまりFAXや電子メールでのやりとりも可能です。

取得を控えさせるような形での個別周知と意向確認は認められませんので、ご注意ください。

 

2. 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
現行では、有期雇用の従業員は、引き続き雇用された期間が1年未満の場合は育児・介護休業の取得はできない要件がありましたが、4月1日以降撤廃されます。(ただし、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者は 労使協定の締結により除外可)

育児休業の「1歳6ヶ月までの間に契約が満了することが明らかでないこと」および介護休業の「介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月を経過する日までに契約が満了することが明らかでないこと」という要件は継続します。

※育児休業給付についても同様に緩和されます。

 

4月1日施行の改正内容について皆さまが準備することとしては、入社1年未満の有期雇用従業員のうち、育児介護休業取得の対象者となる方の確認と、本人もしくは配偶者が出産予定の従業員に対し、面談の設定など制度周知・意思確認機会の確保、周知のための資料の準備をしておくのが良いかと思います。

 

改正に伴い、従業員への周知、就業規則の変更などが必要となる場面が増えてくるかと思います。チェスナットでは、運用方法のご相談から就業規則の変更、届出まで行っておりますので、ぜひお問い合わせ下さい。

 

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