2022年3月16日
皆さま、こんにちは。
今年は東京でも積雪があり、冬らしい寒さが続いていましたが、3月になり急に暖かくなってまいりました。桜の開花が楽しみですね!
さて、今回の税務会計トピックは「補助科目」について解説します。
・補助科目とは?
補助科目とは、特定の勘定科目において内訳となる科目のことをいいます。
例えば、取引先ごと(売掛金-〇〇会社、買掛金-××会社)、支払項目ごと(未払金-給与、未払金-社会保険料)に設定します。複数の預金口座を持っている場合、口座ごとにわけるのも補助科目の使い方の一つです。
また、その補助科目ごとの明細を記録した帳簿のことを補助元帳といいます。
会計ソフトを導入していれば、勘定科目に補助の設定をするだけで自動的に補助元帳が作成されます。
【メリット①】お金の流れが見えやすくなる!
総勘定元帳でも科目の残高やお金の流れを把握できますが、取引先ごとの内訳はすぐにわかりませんよね。そんな時に補助科目を設定していれば、スムーズに内訳を確認することができます。
例えば、売掛金は取引先によって自社への支払いサイトが異なることがあるかと思います。そのような場合、総勘定元帳のみで回収状況を確認しようとすると、取引先が多いほど別途消し込む作業等が発生して煩雑になります。
補助科目を設定しておくと、未回収の取引先の有無など、管理および確認がしやすくなります。
買掛金や未払金など自社から支払う項目においても、補助科目ごとに確認ができると、支払漏れや支払金額の誤り防止に繋がります。
上記の他に、会計処理でよく出てくる前払費用、預り金、長期借入金なども補助の設定をしておくとわかりやすく、お勧めです。
【メリット②】決算処理がスムーズになる!
決算時に期末の科目残高の確認作業が発生しますが、その際も補助科目を設定しておくと確認しやすく、スムーズに決算処理ができます。
また、法人の決算においては勘定科目内訳書を作成しますが、そちらへの金額の記載やチェックがスムーズにできます。
【活用編】
ここまで補助科目を設定すると月々のお金の流れが見えやすくなるとご説明してまいりましたが、次のような場合でも補助科目が活躍するのでご紹介します!
<BS(貸借対照表)科目>
・敷金
・リサイクル預託金
→地代や社用車が複数あると、どれがいくらだったか分からなくなることはございませんか?解約や売却時に遡って確認するのは大変ですよね…
そんな時に、補助科目で分けておくと便利です。
<PL(損益計算書)科目>
・地代家賃
→複数ある場合、場所ごとに補助科目で分けて毎月計上しておくと、計上が漏れていないか、金額が一定の場合は月々定額で計上できているか等の確認がしやすいです。
また、法定調書の不動産の使用料等の支払調書を作成する際も、スムーズに集計を行うことができます。
・交際費
→法人の税務申告時に、接待飲食代の50%を損金算入する方法をとる場合、接待飲食代とそれ以外(贈答品や取引先への香典等)で補助科目を設定しておくと、決算時に改めて集計する手間が省けます。
(交際費の損金算入の概要は、トピック第145回:「交際費について」をご覧下さい。)
補助というとBS科目に設定するイメージが強いですが、目的によっては上記のようにPL科目に設定するのも便利です。
いかがでしたでしょうか?
補助科目の作成は任意ですが、日々の管理や決算時の処理においてとても役立ちますのでお勧めです。
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