2022年2月16日
皆さま、こんにちは。
新型コロナウイルスが蔓延しており、予断を許さない状況ですが、皆さまのお役に立てるよう情報発信をいたします!
今月の労務トピックは、先月に引き続き「健康保険法令及び、育児・介護休業と雇用保険」に関する主な制度改正(後編)をお伝えします。
■2022年10月改正
①新制度 出生時育児休業制度(産後パパ育休)
今回の改正は、男性の育児休業が進んでいない現状を踏まえての改正となります。育児休職制度とは別に、子の出生後8週間以内に分割して2回まで、休業期間としては4週間まで、取得することができます。出生時育児休業の申出期限は2週間前までとされ、現行の育児休業の申出期限の1ヶ月よりも短縮されました。加えて、出生時育児休業期間中、労使協定を締結することにより、休業中の就業が可能となり、柔軟な育児休業となります。
なお、出産時育児休業制度においても、雇用保険から育児休業給付受給できます。
男性労働者が育児休業、育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りに取り組み、かつ育児休業や育児目的 休暇を取得した男性労働者が生じた場合、「両立支援助成金(出生時両立支援コース)」の申請により、1人目57万円、2人目以降も取得日数により助成金が支給されます。出産予定の配偶者がいる男性従業員がいる事業所様は、是非お問い合わせください。
②短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大
2022年10月から従業員数101人以上の事業所、2024年10月から従業員数51人以上の事業所について社会保険の適用拡大が始まります。適用拡大後は、これまでの1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上であるパートタイマーだけでなく、週の所定労働時間が20時間以上および月額賃金が8.8万円以上等の加入要件を満たしたパートタイマー等が「短時間労働者」として社会保険に加入することになります。従業員数101人以上の企業が適用となるまで、あと半年に迫りました。これに合わせ、厚生労働省は「社会保険適用拡大特設サイト」を開設し、周知活動を行っています。
(社会保険適用拡大特設サイト)↓
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/
事業所が準備することとしては、今回対象となる事業所の定義の理解、必要な社内準備のほか、会社が負担する社会保険料がおおよそどのくらい変わるのかをシミュレーションされておかれた方がよいでしょう。
パートタイマー等については、社会保険に加入することでどのように年金や医療保険が変わるか等を説明する準備が必要です。中には、配偶者の扶養の範囲での勤務を望む人も多いことから、本人の意向確認の時間的余裕も考えて、適用対象となる企業では早めに対応を進めるとよいでしょう。
③士業の個人事業所への社会保険適用について
令和4年10月1日以降、次の【適用の対象となる士業】に該当する「個人事業所」のうち、常時5人以上の従業員を雇用している事業所は、健康保険および厚生年金保険の適用事業所となります。
(適用の対象となる士業)
弁護士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理人、税理士、社会保険労務士、弁理士
なお、新たに健康保険の被保険者となる方のうち、従前より国民健康保険組合に加入している方については、被保険者となった事実の発生した日(法施行により適用事業所となる場合は令和4年10月1日)から14日以内に「健康保険 被保険者適用除外承認申請書」の届出があった場合に限り、引き続き国民健康保険組合に加入となります。お早めに対応をお願いします。
いかがだったでしょうか。
改正に伴い、従業員様への周知、就業規則の変更などが必要となる場面が増えてくるかと思います。
チェスナットでは、運用方法のご相談から就業規則の変更、届出まで行っておりますので、ぜひお問い合わせをいただければと思います。
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