2021年8月20日
皆さま、こんにちは。
夏真っ盛りで連日暑い日が続いておりますが、夏バテになっていたりしないでしょうか?
屋外と室内の気温差が激しいのでお身体ご自愛くださいね。
さて、今回の税務トピックは前回の経理トピックに続き、交際費についてご紹介します。
【交際費等の範囲】
税法上の交際費等は社会通念上の交際費の概念より広く、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」となっています。
【交際費等の3要件】
上記の定義には大きく3つの要件が含まれ、要件に当てはまれば交際費であると判定されます。
1.交際費等を支出した相手方が、事業に関係のある者等である
2.交際費等を支出した目的が、事業関係者等との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な推進を図るものである
3.交際費等の行為の形態が、接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為である
【損金に算入できる上限金額】
交際費等は、会計上は費用として処理できますが、税法上は原則として損金に算入できません。しかし、一定の要件を満たすことで一定金額まで損金に算入できます。
(1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下である等の法人は、次のいずれか大きい方を選択可能
※資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人との間に完全支配関係がある法人等を除く
➡支出交際費のうち年間800万円まで
➡接待飲食費の50%
(2) 上記(1)以外の法人
➡接待飲食費の50%
※交際費等の中でも接待飲食費のうち、50%しか損金算入できません。贈答品や取引先への香典等は損金に算入できないことに注意が必要です。
【交際費等と混同しやすい費用】
交際費等のうち、気を付けなければいけないのが飲食費です。飲食費は、金額や目的、参加する人等によって会議費や福利厚生費で計上できます。
【交際費等と会議費の判断基準】
会議費とは、社内または通常会議が行われる場所において通常供与される飲食等の程度を超えない費用のことです。
交際費等に含まれるような接待等を行った場合も、その総額を人数で割った金額が5,000円を超えない限り、交際費等ではなく会議費等で計上し、全額を損金に算入することができるということです。
ただし、社員同士での飲食費(社内飲食費)には、5,000円基準は適用できません。
■注意点
会議費として計上を行うためには帳簿上、下記の記載が必要になります。
・飲食等の年月日
・参加した得意先・仕入先その他の事業に関係のあるものの氏名または名称及びその関係
・参加した人数
・飲食の金額、飲食店の名称及び所在地
・その費用が飲食費であることを明らかにするその他必要事項
【交際費等と福利厚生費の判断基準】
専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用は交際費等から除かれ、福利厚生費とされます。また、社内の行事に際して支出されるもので、次のようなものは福利厚生費となります。
(1)創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用
(2)従業員等またはその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなど)
【まとめ】
・交際費等で計上された費用のうち損金に算入可能な金額に限度額が設けられている
・飲食費については、会議費や福利厚生費に計上できるものがある
いかがでしたでしょうか。
交際費等は原則損金不算入のため税務署の目も厳しくなります。内容をしっかり理解して正しい節税をしていきましょう。交際費はまだまだ説明し足りないことも多いので、今後もご紹介していきます!
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