第113回:「収益・費用」と「収入・支出」の違いについて
2020年10月21日
皆さま、こんにちは。
今回の経理トピックは、会計に触れる際に使用する言葉で間違えやすい「収益・費用」と「収入・支出」の違いについて概略をご説明いたします。
1. 各単語の意味
「収益・費用」と「収入・支出」を簡潔に説明すると以下のようになります。
収益:事業で獲得した金額
費用:事業でかかった金額
収入:金銭等を得ること
支出:金銭等を使用すること
収益や費用はサービスを提供したり、受けたりする事実が発生した際に使い、収入・支出はその対価として金銭等を受取るか支払う際に使います。
だからと言って、「収益・費用」と「収入・支出」は全くもって違うのかと言われますと答えはNOとなります。
詳しくは次の章でお話させて頂きます。
2. 費用と支出の関係性
費用と支出に関しては、片方が出たらもう片方もいずれ出るようになっております。
そのパターンが以下の3つとなります。
(1) 費用が発生し、その後支出を行うパターン
(2) 先に支出を行い、後に費用として発生するパターン
(3) 費用の発生と同時に支出を行うパターン
それぞれのパターンについて例を挙げながら説明させて頂きます。
(1) 費用が発生し、その後支出を行うパターン
クレジットカードの支払いがわかりやすい一例です。
- クレジットカードで飲食代の支払いを行います。(費用の発生)
- その月は支払いを行わないため未払金で負債に計上を行います。
- 預金からクレジットカード分が引き落とされます。(支出)というように費用の発生と支出のタイミングが違うことがお分かり頂けます。
(2) 先に支出を行い、後に費用として発生するパターン
(1)の逆パターンとなります。こちらは支払家賃を例にあげます。
- 9月に口座から10月分の家賃が引き落とされます。(支出)
- 9月はi.での支払いに対するサービスは受けられません。
- 10月になりオフィスを使用できるというサービスを受けます。(費用の発生)
(3) 費用の発生と同時に支出を行うパターン
- 例えば飲食代を現金で支払う場合がこれにあたります。(費用の発生・支出)
(1)と(2)ですと、費用≠支出となりますが、(3)の場合ですと費用=支出となります。
ここまで、「収益・費用」と「収入・支出」について説明させていただきました。
なお損益計算書は「収益・費用」をベースに利益を表示するものとなり、キャッシュフロー計算書は「収入・支出」をベースに現預金の増減を表示するものとなります。
そのため、粗利や営業利益といった会社の業績を知りたい場合は損益計算書を、お金の流れや資金繰りを知りたい場合はキャッシュフロー計算書を見て頂くことになります。
ご不明な点等がございましたら、チェスナットへお気軽にお問い合わせください。
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