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第111回:家賃支援給付金について

2020年9月17日

皆さま、こんにちは、税務会計部門の市原です。

残暑が厳しく台風の季節になってまいりました。

今年はコロナ、豪雨と災害が続いているので、少しでも被害は小さく過ぎ去ってほしいと願うばかりです。

 

さて、今回の税務トピックは、「家賃支援給付金」についてご紹介させていただきます。

現在のコロナ禍により、事業者の方は大変苦労されていると思います。特にその中でも事業の存続を苦しめる原因は、固定費である家賃です。そこで決定されたのが家賃の一部を国が負担する「家賃支援給付金」制度です。

制度の概要は、経済産業省のホームページに載っていますので割愛しますが、今回私がお客様の申請を実際にお手伝いした際に、経産省コールセンターに問い合わせをして判明した分かりづらいポイントをお伝えします。

 

まず、大前提として支給対象は以下の3つを全て満たす事業者です。

  1. 資本金10億円未満の中小企業、個人事業者等
  2. 2020年5月~12月の売上高が
    ・1ヶ月で前年同月比50%以上下落している または
    ・連続する3ヶ月の合計で前年同月比30%以上下落している
  3. 自らの事業のために占有する土地・建物の賃料を支払っている

 

Point1 売上高の算定対象は5月から!

持続化給付金の時は1月の売上高から対象となっていましたが、今回は5月からの売上高が対象になります。緊急事態宣言が発令された4月からでもない点に注意が必要です。

 

Point2 転貸物件は対象外だが、社宅は要件を満たせばOK!

社宅を会社で借り上げて従業員から賃料を徴収している場合は、「世間並みの家賃」を徴収している場合に限り、転貸扱いとなり給付金対象外となってしまいます。

しかし税務上、賃料の一部を徴収しないと給与課税されてしまうため、ほとんどの会社は賃料の一部を徴収していると思います。

この徴収額が、家賃の50%であったり固定資産税の課税標準額等を基準に計算した金額である場合には「世間並みの家賃」で転貸していることにはならず、給付金の対象となります。

ただし、この社宅の取り扱いに関しては経産省でも二転三転しておりますので、申請前に必ずコールセンターにお問い合わせください。

 

Point3 契約書の内容と現状が違う場合は、大家さんの署名が必要!

この部分、いざ申請しようとオンラインで資料を添付する際に気付いて途方に暮れる事が多いです。

契約書を添付する際に、氏名、住所、契約期間などに赤枠を付けるという指示があります。

その時に気付くのが、契約期間の部分です。

一般的に契約書に記載されている契約期間は契約当初の期間だけで、あとは自動更新となっている事が多いのではないでしょうか。

給付対象になる契約期間の要件は、

  1. 2020年3月31日時点で有効な契約書があること
  2. 申請日時点で有効な契約書があること

と定められており、契約書に記載されている当初の契約期間が古いため、申請日時点では有効ではないと判断されてしまうのです。

更新覚書があればそれを添付するだけで良いのですが、覚書も無い場合は「賃貸借契約等証明書」が必要になります。

これが曲者で、なんと大家さんの署名欄があるのです。

大家さんに何か頼むというのはちょっと…という心情はとても良く分かりますが、ここをクリアしないと申請ができません。

契約期間の記載で要件に引っかかってしまう方は多いと思われますので、今一度契約書を確認してみてください。

また、契約中に法人名を変更したが契約書はそのままといったケースも大家さんの署名が必要になりますので要注意です。

 

Point4 家賃を値下げしてもらっている時に申請すると損をする!

皆さまの中には、大家さんにお願いして家賃を値下げしてもらっている方もいるのではないでしょうか。

今回の給付額の算定は、申請日の直近の支払額を基に計算します。

通常月60万円の家賃であれば、それの2/3を6倍した金額(240万円)が給付金になりますが、直近の支払いが30万円だった場合は、120万円になってしまいます。

もし申請期限の12月までに家賃が戻るのであれば、戻ったタイミングで申請をすることをお薦めします。

せっかく貰える給付金ですから、少しでも多いほうが良いですよね。

 

Point5 給付金の課税関係

申請が済み無事に給付金を貰えたとして、課税関係はどうなるのでしょうか。

まず、法人の場合、法人税は課税対象となります。持続化給付金と同様です。

個人事業主の場合、所得税が課税対象となりますが、ここで気を付けたいのは雑所得ではなく事業所得になる点です。

事業所得の金額を計算する青色決算書での科目名は、売上と区別するために「雑収入」で計上した方が分かりやすくて良いと思います。

消費税は、他の補助金等と同じように対価性が無いものとされ、不課税となります。

 

法人税、所得税ともに課税対象となってしまうので事業が苦しい方々にとっては酷かもしれませんが、国から頂いたお金ですので正しい納税を行いましょう。

 

この家賃支援給付金は申請する手間が非常にかかりますが、活用できれば事業者にとって大変心強いものとなります。

まだまだお伝えしたい事は沢山ありますので、気になった方はお気軽に弊社までお問合せください!

 

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