2020年7月21日
今回の労務トピックは、新型コロナウィルス流行に伴う、「労働保険の申告期限延長・納付の猶予」、6月25日付改正の「社会保険の標準報酬月額の特例改定・納付の猶予(特例)」について、お知らせいたします。
《労働保険料の申告・納付の延長》
こちらは全事業所に適用となります。
申告期限:従来の7月10日→8月31日まで延長
納付期限:従来の7月10日→8月31日まで延長
口座振替納付日:9月7日→10月13日まで延長
なお、延納(分割納付)をしている場合の第2期以降の納付期限・口座振替納付日については、従来通りとなりますので、ご注意下さい。
《労働保険料の納付猶予》
新型コロナウィルスの影響により、事業にかかる収入に相当の減少があった場合に、労働保険料の納付を1年間猶予することができます。
以下のいずれも満たす事業所が対象となり、適用されると担保の提供は不要、延滞金も発生しません。
(1)新型コロナウィルスの影響により、令和2年2月以降の任意の期間(1ヶ月以上)において、前年同期に比べて20%以上減少していること
(2)(1)により、一時的に納付を行うことが困難であること
(3)申請書が提出されていること
※ 令和2年2月1日~令和3年1月31日までに納期限が到来する労働保険料が対象となります。
《社会保険の標準報酬月額の特例改定について》
新型コロナウィルス感染症の影響により休業した方で、休業により報酬が著しく下がった方について、事業主からの届出により、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、通常の随時改定(4ヶ月目に改定)によらず、特例により翌月から改定可能となりました。
標準報酬月額の特例改定は、次の3つの条件を全て満たす場合に行うことが可能です。
(1)事業主が新型コロナウィルス感染症の影響により休業(時間単位を含む)させたことにより、急減月(令和2年4月から7月までの間の1ヶ月であって、休業により報酬が著しく低下した月として事業主が届け出た月)が生じた方
(2)急減月に支払われた報酬の総額(1ヶ月分)に該当する標準報酬月額が、既に設定されている標準報酬月額に比べて、2等級以上下がった方
※ 固定的賃金(基本給、日給等単価等)の変動がない場合も対象となります。
(3)特例による改定を行うことについて、本人が書面により同意している方
※ 被保険者本人の十分な理解に基づく事前の同意が必要となります。(改定後の標準報酬月額に基づき、傷病手当金、出産手当金及び年金の額が算出されることへの同意を含みます)
※ 本特例措置は、同一の被保険者について複数回申請を行うことはできません。
《社会保険の厚生年金保険料等の納付の猶予(特例)》
新型コロナウィルス感染症の影響により、事業等に係る収入に相当の減少があり、一時的に厚生年金保険料等を納付することが困難となった事業主・船舶所有者の方は、年金事務所へ申請することにより、厚生年金保険料等の納付の猶予(特例)を受けることができます。
納付の猶予(特例)が認められた場合は、厚生年金保険料等の納付が納期限から1年間猶予され、その間の延滞金は全額免除となります。
(1)令和2年2月以降の任意の期間(1ヶ月以上)における、事業等に係る収入が、前年同期に比べて20%以上減少している場合
(2)令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する厚生年金保険料等が納付猶予の対象
今年は新型コロナウィルスによる特別な措置が取られているケースが多いので、ご不明点等がございましたら、是非チェスナットへご相談下さい。