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第88回:消費税の軽減税率

2019年6月19日

今回の税務トピックは、今話題の消費税の軽減税率についてご紹介いたします。

 

そもそも軽減税率は何なのか?疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

 

軽減税率とは2019年10月1日から実地される予定の消費税増税における日本国で初めて導入される制度です。

国税庁は軽減税率の対象となる品目を以下のように公表しています。

  1. 酒類・外食を除く飲食料品
  2. 週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)

上記は今までの消費税率8%のままです。

一方で、酒類、外食、ケータリングの食事などについては軽減税率の対象とならず、消費税率10%が適用されます。

普段から自宅でお酒を飲む人や外食の頻度が高い人は消費増税による影響を受けやすくなります。

また、今後、私たち消費者が買い物の際、税率の計算が一律でなくなることによって混乱することが予測されます。

 

上記1でいう飲食料品が軽減税率の対象か否かは、

人の飲用又は食用以外の用途に供するもの(食品表示法上の「食品」以外のもの)で判断します。たとえ飲食が可能な物であっても食品表示法上の「食品」以外のものとして取引される場合には、「飲食料品の譲渡」には該当せず、軽減税率の対象となりません。

例えば、食用トウモロコシ、食用重曹などは、食品表示法上の食品に該当するため軽減税率の適用対象となり8%ですが、家畜等の飼料、熱帯魚、清掃用重曹は食品以外に該当するため軽減税率適用対象外となり10%となります。

【食品表示法上の食品】かどうかが軽減税率にとって大きな判断になるのです。

 

次に、判断が難しいと思った事例をご紹介いたします。

 

Q.「水」は軽減税率の適用対象になるか。

国税庁の答えは以下の通りです。

A.「食品」とは、人の飲用又は食用に供されるものをいいますので、人の飲用又は食用に供されるものであるミネラルウォーターなどの飲料水は、「食品」に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。(8%)

一方で、水道水は炊事や飲用のための「食品」としてのものと、風呂、洗濯と言った飲食用以外の生活用水として供給されるものとが混然一体となって提供されているため軽減税率の適用対象とならない(10%)と回答しています。(改正法附則34 1-、軽減通達2)

 

このケース裏を返せば、売る側が水道水をペットボトルに入れて、「食品」として売れば、それは軽減税率の適用対象となり8%のままと理解できます。

 

皆さん、お気づきでしょうか。

国税庁はあくまでも売る側の主観での判断としており、その後の購入者が何の用途で使うのかは、関係ないのです。(たとえその後、洗濯水に使用したとしても関係ないということですね)

このように軽減税率の対象か否か判断が曖昧な部分が出てくるため、多くの方は混乱してくるのではないかと思います。

 

今回は簡単にご紹介させていただきましたが、多くの疑問が飛び交っているため国税庁は消費税増税にともなう質疑応答専用の電話窓口を設けております。

ご不明点やご不安なことがございましたら、チェスナットあるいは国税庁にお問い合わせしていただくことをお勧めいたします。