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第87回:意外と知らない所得税と住民税の違い

2019年5月20日

今月の税務トピックスでは、意外と皆様が知らない住民税と所得税の違いの一部ご紹介したいと思います。

6月から皆さんの平成30年の所得税をもとに、令和1年度の住民税に基づいた支払い(給与所得者の場合は、源泉徴収)に変更となります

この所得税と住民税は、同じようで実は違うんです。

その違いをあまりよく知らない方も多いのではないでしょうか。

驚くことに、年末調整や確定申告で計算した所得税が0円でも住民税は0円では無いのです。

所得税も住民税も、各種所得の金額の合計額から所得控除の合計額を控除した課税所得に税率を乗じて計算するので基本的な考え方は同じです。(税額控除は考慮しません。)

 

では、なぜ差が生じるのでしょう?

実は、所得控除できる控除額に差があるのです。差があることによって課税される所得に差が生じます。

また、税率も違います。所得税は累進課税で最低税率が5%ですが、住民税は一律10%で課税されています。

同じような税金でも、実はこんなにも違うのです。

それでは次に、所得税と住民税の基本的な違いを見ていきましょう。

Ⅰ、税金がかかる対象所得

所得税は、その年(現年)の所得に対してかかりますが、住民税は、前年の所得に対してかかります。

新入社員の方は、入社1年目の住民税が給与から徴収されないのは、その会社の前年の所得がないからです。

 Ⅱ、均等割

住民税には均等割があります。収入があっても課税される所得がない場合、それでも住民税は0円にはなりません。所得には関係のない均等割額が徴収されます。

(一定要件に該当する場合は非課税になります。).

市民税   3,500円

県民税   2,000円

Ⅲ、税率

1)所得税               超過累進税率 (最低税率は5%)

2)住民税(所得割)         基本的に、一律10%

(市町村民税6%・道府県民税4%)

Ⅳ、住民税

非課税基準があります。(所得税にはありません。)

※生活保護世帯や、所得金額が、33万円以下の世帯

Ⅴ、構造上の違い

① 対象所得

所得税・・・当年所得課税 (その年の所得に対して課税)

住民税・・・前年所得課税 (前年の所得に対して課税)

② 課税方法

所得税・・・申告課税 (納税者が申告)

住民税・・・賦課課税 (確定申告・給与支払報告書等に基づき計算し通知)

③ 納付方法

所得税・・・確定申告で確定した税額を納付又は年末調整で清算(納付)

住民税・・・6・8・10月・翌年1月年4回自分で納付。又は6月から翌年5月まで給与から徴収

Ⅵ、所得控除額の違い

ここでは主たるものの説明とさせていただきます。

① 障害者控除(一般)

所得税・・・27万円

住民税・・・26万円

② 寡婦控除(一般)

所得税・・・27万円

住民税・・・26万円

③ 勤労学生控除

所得税・・・27万円

住民税・・・26万円

④ 配偶者控除(一般)

所得税・・・38万円

住民税・・・33万円

⑤ 扶養控除(一般)

所得税・・・38万円

住民税・・・33万円

⑥ 新生命保険料控除(介護 年金を含む)

所得税・・・最高  4万円

住民税・・・最高2.8万円

⑦ 基礎控除

所得税・・・38万円

住民税・・・33万円

 

Ⅶ、最後に

いかがでしたか。

所得税と住民税が何となく同じようで違う事簡単に説明させていただきました。

住民税は、ふるさと納税が始まった事で、皆様には身近な税金になったと思いますが、

その計算方法まで興味を持たれる方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。

住民税にも少しでも興味をもっていただければ嬉しいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

不明な点がある方、そしてもっと詳しいことが知りたい方、今すぐチェスナットまでご連絡を・・お待ちしております。