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第81回:「上場株式等の課税方式の選択」について

2018年12月20日

今回の税務トピックは、上場株式等の課税方式の選択についてご紹介いたします。

いきなりですが、皆さまご存知ですか?
上場株式等について、所得税と住民税で異なる課税方式を選択できるのです!

2018年、今年も残すところあと少しになりました。年が明けるとすぐに確定申告の時期がやってまいります。
毎年確定申告では、上場株式の配当所得や譲渡所得について、申告不要制度、申告分離課税、総合課税(配当所得のみ)のどのように選択するかによって課税関係が変わるため、何を適用するか頭を悩ませている方が多いのではないでしょうか。

これらの選択可能な制度について、今まで所得税で選択したものが自動的に住民税でも適用されていましたが、2017年度の税制改正により、上場株式等について所得税と住民税で異なる課税方式を選択できるようになりました。そして、その手続きも明確になりました。

改正前は・・・


法令には所得税と住民税で異なる課税方式を選択できないとの規定はもともと無いのですが、手続きが明確にされていなかった為、所得税で選択した課税方式を住民税でも選択したとみなされていました。

そして改正後・・・


2017年4月1日以後、所得税の確定申告書とは別に住民税の申告書を提出することで、所得税と住民税で異なる課税方式を選択することができるようになりました。

なお、住民税の申告方法は市町村によって異なります。
申告する場合は、ご自身の申告先の市町村に確認する必要があります。

住民税の申告は・・・


住民税の申告は、住民税の納税通知書送達日
(給与所得から天引きの場合は5月10日頃、納付する場合は6月10日頃)までに行ってください。
4月中でしたら間に合います。

申告期限についても念のため市町村に確認することをお勧めいたします。

選択適用すると・・・


所得税と住民税で課税方式をそれぞれ選択適用できると、次のことが期待できます。
1.上場株式等の配当所得
課税所得金額が少ない場合、所得税では総合課税、住民税では申告不要制度(または申告分離課税)を選択することで納税額が他の方法よりも少なくなることがあります。

2.上場株式等の譲渡所得・利子所得
国民健康保険を考慮すると所得税では申告分離課税(損益通算等)、住民税では申告不要制度を選択することで、税及び社会保険の負担額が最も少額になりえます。

ただし、皆さんご注意下さい。
すべての方に有利になるわけではありません。
選択する場合には必ずどちらが有利か確認してから選択することをおすすめいたします。

興味を持っていただいた方、ぜひ住民税の申告をトライしてみてください。
不明な点がある方、そしてもっと詳しいことが知りたい方、是非、チェスナットまでご連絡ください!