2017年11月17日
今回の労務トピックは、平成30年4月~本格化する労働契約法「無期転換5年ルール」ついてご紹介いたします。
労働契約法改正(平成25年4月1日施行)により、有期労働契約(期間の定めがある労働契約)が5年を超えて反復更新された場合は、パート・アルバイト・契約社員・嘱託などの呼称に関わらず、有期労働契約者からの申込みに基づき、無期労働契約(期間の定めがない労働契約)に転換されます。
現在、有期労働契約の約3割の方が通算5年を超えて有期労働契約を反復更新していると言われており、雇止めに対する不安を解消し、契約期間にとらわれず安心して働くことが出来るようにすることを目的としています。
なお、無期労働契約転換は下記の条件の通りのル-ルで行います。
- 対象労働者:
- 同一の使用者との間で締結された2つ以上の有期労働契約期間が通算5年を超えている労働者
- 申込み期間:
- 通算5年を超える有期労働契約期間の初日から末日までの間に対象労働者が申込みを行う(※通算契約期間はH25.4.1以降に締結した有期労働契約から算定しますので、それ以前に締結していた有期労働契約は算定の対象となりません)
- 転換:
- 申込みがあった場合、使用者はその申込みを断ることが出来ず、無条件で無期労働契約が成立します。ただし、実際に転換されるのは申込み時の有期労働契約が満了する翌日からとなります。(労働者からの申込み直後から無期労働契約にしなければならないというわけではありません。)
無期労働契約への転換についてですが、あくまでも有期(期間の定めがある労働契約)から無期(期間の定めがない労働契約)への転換であって、必ずしも、社内における正社員と同一条件にしなければならないというわけではありません。
準社員・地域限定社員・職務限定社員(時給制・日給制・月給制)といった新しい雇用形態を導入し、働き方に多様性を持たせ、企業・従業員双方にとって無期転換のメリットを最大限引き出せるようにしていく必要があるのではないでしょうか。
その他、転換支援策としまして、キャリアアップ助成金がありますので、円滑に制度導入を進める上で、ぜひ活用頂ければと思います。
【助成額の例】
- 有期⇒正規:1人あたり57万円<72万円>
- 有期⇒無期:1人あたり28.5万円<36万円>
※<>内は生産性要件を満たす場合の金額
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