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第35回:給与所得者でも可能な所得税の節税対策について

2017年2月28日

今回は確定申告の時期でもありますので、「給与所得者でも可能な所得税の節税対策について」お届けいたします。

みなさんご存じのように、通常給与所得者は年末調整によって、その年の所得税が精算されるため、原則、確定申告を行う必要がありません。
また、給与所得者の場合、必要経費が自己申告となる自営業者等と異なり、給与所得控除の計算式によって控除額が自動的に算定されるため、恣意的な申告が、必然的に排除されることになります。

しかし、給与所得者でも可能な節税対策もいくつかありますので列挙してみます。
ご存じの部分も多いと思いますが、再確認して頂ければと思います。

  1. 医療費控除

    年間の医療費の自己負担額が10万円を超える方につきましては、一定の金額が所得金額から控除されます。
    この場合、対象となる医療費の範囲は生計を一にする親族の医療費も含まれます。
    所得が少ない方は、医療費が10万円以下でも適用することが可能です。

  2. 住宅ローン控除

    10年以上のローンで、一定の住宅を購入した場合は、ローン残高(上限4,000万円)の1%分が所得税額から控除することが出来ます。

  3. 配当収入や株式の売却損益

    上場株式に投資し、配当収入があった場合は、
    1)源泉分離課税で終了
    2)配当所得として総合課税で申告し、配当控除を適用する
    3)申告分離課税を選択し、上場株式の売却損と相殺する
    という3つの方法が考えられるため、どの方法での申告が最適となるのかを検討する必要があります。

    また、上場株式の譲渡損失の3年繰越の規定は確定申告を行うことが条件となっていますので注意が必要です。

  4. ふるさと納税を行った場合の寄付金控除

    現在、話題となっているふるさと納税ですが、確定申告時に寄付金控除として申告することにより、一定の所得税と住民税の減額が可能となります。
    収入や家族構成等に応じて最適な寄附の上限額が異なりますので確認する必要があります。

  5. 不動産所得との損益通算

    所得税には損益通算の制度があり、事業所得や不動産所得等で損失が発生した場合には、給与所得と相殺する事が可能です。
    例えば、賃貸用の中古の不動産等を購入した場合には、中古資産の耐用年数の簡便法を適用することにより、多額の減価償却費や支払利息を取込み、損益通算することが出来ます。
    さらに、物件を5年以上保有後に、譲渡することにより、総合課税ではなく、分離の長期譲渡所得として、20%の税率で申告できる点もメリットです。

    しかし、土地に係る支払利息は損益通算する事ができない点や組合経由での不動産投資は、必要経費と認められない点は注意する必要があります。

    ご不明な点がございましたら、チェスナットまでご連絡お待ちしております。