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第15回:マイナンバー制度への対応(第一弾)

2015年6月30日

今月のトピックは、「マイナンバー制度への対応(第一弾)」を紹介いたします。

≪マイナンバー運用の流れと罰則について≫

マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の3つに利用目的を限定していますが、その運用の流れは次の通りです。

  1. 取得⇒利用目的明示・本人確認
  2. 保管⇒マイナンバーの保管
  3. 利用⇒マイナンバーの記載
  4. 提供⇒行政機関等への提出
  5. 廃棄⇒不要となった場合(ただし、法定保存期間経過後)

1の取得から5の廃棄まで、それぞれルールが定められており、非常に厳しいものとなっています。

例えば、個人番号利用事務等に従事する者が、正当な理由なく(故意に)特定個人情報を提供した場合・・・
4年以下の懲役又は200万円以下の罰金又は両方科されることになります!

ここでのポイントは、「漏えいさせた者のみ」ではなく、「漏えいさせてしまった会社」にも責任が問われ、罰則を受ける可能性があるのです。(両罰規定)

したがって、マイナンバー法を正しく理解した上で、適切に運用する必要があります。

≪マイナンバー制度への対応準備≫

「マイナンバー制度」について何から始めればよいのか?

今年の3月に経団連から各企業に対し、マイナンバー対応への準備を喚起しています。そこでは、主な準備項目として次の項目を挙げています。

  1. 対象業務の洗い出し
  2. 対処方針の検討
  3. マイナンバー収集対象者への周知
  4. 関連システムの改修
  5. 委託先・再委託先の監督等

まずは、Aの対象業務を洗い出す必要があります。

各企業、どの場面でマイナンバーを取り扱うのか様々ですので、今回はこの点を整理します。

マイナンバーの記載が必要な書類として、代表例を挙げておきます。

<税関係書類>

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 扶養控除等申告書

この2点は多くの企業で出てくるものかと思います。

ここでのポイントは【 従業員のみならず、その扶養家族の番号も必要 】になるといった点です。

  • 支払調書等

例えば、原稿料や、支払報酬、さらに、不動産使用料、支払配当などがある場合、原則として、支払調書の提出が必要となります。
ここでのポイントは【 従業員以外のマイナンバーが必要 】であるといった点です。

<社会保障関係書類>

  • 雇用保険取得届
  • 雇用保険喪失届

「年金業務」に関しては平成29年1月1~と1年先送りとなっていますが、「労働保険関係」の手続きは、税関係書類と同様平成28年1月1日~運用開始です。

労働保険関係の主なものとしては、従業員の入退社時の手続きです。
平成28年1月1日以降に従業員の入退社がある場合は、早速これらの書類にマイナンバーの記載が必要となります。

≪ まとめ ≫

今回はマイナンバー対応の第一歩である「対象業務の洗出し」が必要であることを確認しました。

この作業なしでは、次の作業である「どのように対処するか」を決定することはできません。各企業どういった場面でマイナンバーが出てくるのか、予め精査する必要があります。

今回触れませんでしたが、マイナンバーの取得や保管を「委託」するといった選択肢もあります。各企業どのように対処するかを検討し始めましょう!!

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