2015年3月31日
今月の税務・労務トピックは、“待ったなし!「マイナンバー制度」とは~労務編~”についてご紹介いたします。
■ ルールその1
≪マイナンバーの通知≫
マイナンバーの通知は、皆様がお住まいの各自治体(住民票があるところ)が通知を行います。
具体的には、今年2015年10月から、
- 「マイナンバー」
- 「基本4情報」(氏名・性別・住所・生年月日)
を記載した「通知カード」が、赤ちゃんからお年寄りまで、日本国内に住民票がある方すべてに届きます。
ただし、この「通知カード」は、あくまでも番号を証明する「紙のカード」であって、身分を証明するものにはなりません。
一方、2016年1月からは、各市町村窓口で「個人番号カード」が発行されます。これは、顔写真付きでICチップも搭載していて、身分証明書にもなるカードです。
この「個人番号カード」は、自動的には送付されてきませんので、発行には、各市町村窓口で手続きを行う必要があります。
まずは、「通知カード」が10月以降届くので、紛失等しないよう保管するよう従業員へ周知することが大事ですね。
■ ルールその2
≪従業員からのマイナンバー取得と本人確認≫
前回、大屋の説明にもありましたが、マイナンバーは利用できる分野が決まっています。
目的以外でマイナンバーを取得してはいけないことになっていますので、従業員からマイナンバーを取得する前には、必ず!「マイナンバーの利用目的」を従業員に明示した上で、取得することになります。
就業規則などに、マイナンバーの利用目的などを包括的に明示しておくのもよいと思います。
また、従業員の中には、
- 「正社員」
- 「契約社員」
- 「パート・アルバイト」
など様々な雇用形態が混在していますが、給与を支払う以上、全雇用形態の従業員からマイナンバーを取得する必要があります。
そして、事業者が従業員からマイナンバーを取得する際には、都度、本人確認を行う必要があります。
本人確認の方法ですが、
「通知カード」、「住民票(番号記載)」の場合には、これに加えて 顔写真付きの身分証明書(「運転免許証」「パスポート」「在留カード」など)で本人実在の確認(身元確認)を行います。
「個人番号カード」の場合は、このカードのみで個人番号の確認と本人実在の確認ができるので便利です。
マイナンバー取得の方法ですが、一般的には
- 対面
- 書面送付
のいずれかの方法になります。
書類の提出については、原本若しくはそのコピ-での確認となります。
■ ルールその3
≪マイナンバーの保管・運用など安全管理措置≫
マイナンバー制度は、プライバシー保護の観点からその安全管理について徹底して行うことになっています。
今回新たに設立された特定個人情報保護委員会は、マイナンバーにかかる安全管理を、次のようなガイドラインとして公表しています。
- マイナンバーを取り扱う事務の範囲の明確化
- 特定個人情報等の範囲の明確化
- 事務取扱担当者の明確化
- 基本方針及び取扱規定等の策定
このような手順を踏んで体制の整備などを行うことになりますが、中小企業に対しては、負担軽減の措置が検討されています。
また、マイナンバーは「目的外の保管禁止」となっており、マイナンバーが記載された書類は、保存年限がきたら、廃棄することになっています。
このため、あらかじめ廃棄することを前提とした社内プロセスを準備することが必要だと思います。
■ 社会保障関係のスケジュールとまとめ ■
社会保障関係では、次の通り、手続きにマイナンバーの記載が必要となります。
- 雇用保険関連:2016年1月1日以降提出
- 健康保険・厚生年金保険関連:2017年1月1日以降提出
いよいよ今年10月から通知カードの配布となり、残された準備期間はとても短くなります。
マイナンバーは従業員全員が当事者となりますので、まずは全従業員への周知徹底をお願いします!
最後に、これから2016年1月~の本格運用に際し、社会保険・税務の届出様式変更など数多く予定されています。届出・手続に不安がある方は、ご遠慮なくチェスナットまでご相談下さい。