2025年4月18日
皆さま、こんにちは。
個人ができる節税対策の中で最も利用しやすいものとして、ふるさと納税が挙げられます。「寄附をして返礼品が貰える」という魅力と手軽に利用できる点から、多くの人が利用しています。ふるさと納税は寄附金控除の対象の一つですが、ふるさと納税以外の寄附金も、寄附金控除の対象になるものがあります。
そこで、今月の税務会計トピックは「ふるさと納税以外の寄附金控除」についてご紹介します。
●寄附金控除の対象
以下の法人や団体などに対する寄附金が寄附金控除の対象となります。
①国、地方公共団体に対する寄附金(ふるさと納税など)
②公益社団法人等、公益を目的とする事業を行う法人や団体(国立大学など)に対する寄附金のうち、「広く一般に募集されている」かつ「緊急性と公益性が高い」として財務大臣が指定したもの
③公共法人等のうち、教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献等公益の増進に著しく寄与すると認められた特定公益増進法人(私立学校法人、日本赤十字社など)に対する寄附金 (※他条件あり)
④大臣の証明を受けた特定公益信託のうち、その目的が教育または科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献等公益の増進に著しく寄与すると認められる一定の公益信託の信託財産とするための支出
⑤個人が支出した政党(支部含む)、政治資金団体、その他政治団体で一定のもの、特定の公職の候補者への政治活動に関する寄附金
⑥認定NPO法人等に対する寄附金で、特定非営利活動に係る事業に関連するもの
⑦その他(特定新規中小会社により発行される特定新規株式の取得に要した金額など)
なお、上記のうちお住まいの都道府県もしくは市町村の条例により、税法上の優遇措置対象として指定された法人や団体に寄附した場合、確定申告を行うことにより、自動的に住民税の控除も受けることができます。(詳細はお住まいの都道府県、市町村HPをご覧ください。)
●寄附金控除と寄附金特別控除
個人が上述の法人や団体に寄付をした場合、確定申告を行うことで所得税の還付等税法上の優遇措置を受けることができ、これを「寄附金控除」といいます。寄附金控除は所得控除であり、所得金額から一定の金額を差し引き、税率をかけて税金を算出する方法です。
なお、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金または公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものについては、寄附金控除(所得控除)に代わり「寄附金特別控除」を選択することも可能です。寄附金特別控除は税額控除であり、計算済の税金から一定の税額控除額を直接差し引く方法になります。
寄附金控除と寄附金特別控除のどちらが有利かは、寄附先、寄附額や個人の所得額により異なりますので、両方を試算する必要があります。
●寄附金控除(所得控除)の計算方法
寄附金控除の控除額(所得)の計算方法は以下になります。
・その年中に支出した寄附金の額の合計額-2,000円
※年間の寄附金の合計額は総所得金額の40%が上限となります。
●寄附金特別控除(税額控除)の計算方法
寄附金特別控除の控除額(税額)の計算方法は以下になります。
(ⅰ)政党等寄附金特別控除
(その年中に政党等に寄附した金額-2,000円)×30%
(ⅱ)認定NPO法人等寄附金特別控除
(その年中に認定NPO法人等に寄附した金額-2,000円)×40%
(ⅲ)公益社団法人等寄附金特別控除
(その年中に公益社団法人等に寄附した金額-2,000円)×40%
※年間の寄附金の合計額は総所得金額の40%が上限となります。
※(ⅰ)の控除額、(ⅱ)及び(ⅲ)の控除額の合計はその年の所得税額の25%が上限となります。
●おわりに
寄附金控除または寄附金特別控除を受けるには、確定申告が必要になります。確定申告の際は寄附先が発行した寄附金受領証明書等が必要となりますので、寄附の種類に応じて必要書類を受領しているかあらかじめ確認しておきましょう。
寄附金控除と寄附金特別控除のどちらが有利か、控除受けるための必要書類は何か等、寄附金控除含め、確定申告にご不明な点がありましたら、ぜひチェスナットにご相談ください!
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