2023年4月19日
皆さま、こんにちは!
春らしく穏やかな気候に心和む季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
新年度を迎え、すがすがしい季節になりました!
今月の労務トピックは、障害者の法定雇用率についてお話しします。
2023年度は障害者の法定雇用率が見直されるタイミングになります。厚生労働省の労働政策審議会で審議が行われていましたが、法令改正により段階的な引き上げが正式に決定しました。
- 障害者の法定雇用率が段階的に引き上げ
2023年3月までは、民間企業の法定雇用率は2.3%と定められており、従業員を43.5人以上雇用している場合、障害者を1人以上雇用が義務でしたが、以下の通り段階的に引上げされます。
■2024年4月から2.5%(従業員40.0人以上雇用で障害者を1人以上)
■2026年7月から2.7%(従業員37.5人以上雇用で障害者を1人以上)
- 除外率の引き下げ
除外率とは、障害者雇用が難しい業種に設定されているもので、除外率に相当する労働者数を控除する制度(障害者の雇用義務を軽減)が設けられています。
2025年4月1日から除外率が、除外率設定業種ごとに10%引き下げられます(現在除外率が10%以下の業種は除外率制度の対象外となります)。
- 障害者雇用における障害者の算定方法の変更
※従来の労働時間における障害者雇用人数のカウント方法は以下、表の通りです。
■2023年4月から精神障害者の算定特例の延長
週所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障害者について、当分の間、雇用率上、雇入れからの期間等に関係なく、1カウントとして算定できるようになります。
■2024年4月から一部の週所定労働時間20時間未満の障害者の雇用率への算定
週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について、雇用率上、0.5カウントとして算定できるようになります。
- 障害者雇用のための事業主支援が強化(助成金の新設・拡充)
2024年4月から雇入れやその雇用継続に関する相談支援、加齢に伴う課題に対応する助成金が新設されます。既存の障害者雇用関係の助成金が拡充されます。
◇参考資料
※厚生労働省パンフレット(障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について)
https://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf
※厚生労働省パンフレット(障害者雇用のすすめ)
いかがだったでしょうか。
多くの中小企業様が、人材確保・育成等の人材面の課題を感じていらっしゃるかと思います。多様性が企業の力となる今日。障害者の能力を引き出し、戦力化することで、企業の発展が期待できるかと思います。法定雇用率の引き上げ自体はまだ1年以上先ですが、要員計画など早めにご準備ください。
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