2022年1月19日
皆さま、こんにちは。
更なる新型コロナウィルス(オミクロン株)が発生しております。皆さま、感染予防(手洗い、マスク着用)、体調管理(免疫力を高めよう)を意識していきましょう!
今月の労務トピックは、「健康保険法令及び、育児・介護休業と雇用保険」に関する2022年の主な制度改正(前編)をお伝えします。
■2022年1月改正
①傷病手当金の支給期間
これまでは、「支給開始日から数えて1年6ヶ月を超えない期間」となっておりましたが、
2022年1月からは「支給開始日から通算して1年6ヶ月に達する日まで」に変更されます。つまり、傷病手当期間中に、回復し復帰後の出勤に伴い、不支給期間がある場合、その期間分を延長し、通算して1年6ヶ月支給されるようになります。2022年1月時点で支給が始まっている人についても、昨年末(2021年12月31日)時点で1年6ヶ月を経過していなければ、通算となります。要するに2020年7月2日以後の支給については、改定後の規定が適用されます。社会保障の負担と給付のバランスを整え、治療と仕事の両立を支えるための改正となります。
②任意継続被保険者に関する制度の見直し
(1) 2年未満の脱退が可能
健康保険の任意継続被保険者は、退職後も、自身の選択により最大2年間、退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができる制度です。これまで任意継続被保険者の喪失事由に「任意に資格喪失する方法」が存在せず、喪失させるためには保険料を意図的に納付しない等の問題がありました。2022年1月からは「本人が任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を保険者に申し出た場合、申出受理日の属する月の翌月1日に任意継続被保険者の資格が喪失する」喪失事由が追加されました。つまり、本人の意思で任意継続を脱退することができるようになります。
(2) 任意継続被保険者の保険料算定見直し(健保組合のみ)
任意継続被保険者の保険料の決め方も変わります。現在は「①資格喪失時(退職時)の標準報酬月額、②「当該保険者の全被保険者平均の標準報酬月額」のどちらか低い方ですが、2022年1月から健保組合では「規約で定めた場合に限り、当該規約に定めた額を標準報酬月額とすることができる」となりました。つまり、健保組合により、多段階方式の保険料算定が登場することになります。改正後においても、退職時の標準報酬月額が、「当該保険者の全被保険者平均の標準報酬月額」を下回る場合、規約適用とはならず、退職時の標準報酬月額にて保険料算定となります。あくまで「当該保険者の全被保険者平均の標準報酬月額」を超えた場合が規約適用となります。
③雇用保険制度65歳以上「マルチジョブホルダー制度」新設
現行法では、雇用保険は、ひとつの事業所で週労働時間20時間以上、31日以上の雇用見込みといった条件を満たすと被保険者となります。2022年1月の新制度では65歳以上を対象に2つの事業所勤務を合計して条件を満たすと被保険者(マルチ高年齢被保険者)が適用されことになります。但し、新制度では、会社ではなく、ご本人様がハローワークに加入手続きを行った日から特例的に雇用保険被保険者となります。本改正は、65歳以上の複数就業者に対するセーフティーネットとして試行する意味合いがあります。
■2022年4月改正
①パートタイマーや派遣・契約社員(有期雇用)の育児・介護休業の取得要件の緩和
現行法では「引き続き雇用された期間が1年以上」が取得条件ですが、これが廃止され、無期雇用労働者と同様に、「労使協定を締結した場合に限り、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者が除外できる」に留まります。法を上回る制度導入でない限り、就業規則の改定が必要となります。
■2022年10月改正
①育児休業中の社会保険料免除要件の変更
現行法では、育児休業中の社会保険料免除は月末時点で取得している場合に、社会保険料が免除される仕組みとなっています。短期の育児休業の場合、月末時点で育児休業を取得しているか、いないかで、当月の社保料だけでなく賞与にかかる保険料についても不公平が生じていました。この不公平をなくすため、育児休業開始日の属する月において、その月の末日が育児休業期間中である場合に加え、その月中に2週間以上取得した場合も、免除されることになります。一方、賞与にかかる保険料の免除は1ヶ月を超える育児休業取得者に限り対象となるよう改正されます。育児休業の本来の意義に沿うよう改正されています。
いかがでしたでしょうか。2022年1月施行される改正を一部ご紹介しました。他にも改正があり、来月2月に、後編としてメルマガでご紹介します。積極的に対応し、社内外にアピールすることで、対外的信用が増し、社員においてはモチベーションUPに繋がると思います!
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