2021年12月15日
皆さま、こんにちは!
12月に入りドッと寒さが増して参りましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今回の税務会計トピックは住宅ローン控除についてお話します。
皆さま既にご存じかとは思いますが、住宅ローン控除について流れをおさらいしましょう!
そもそも住宅ローン控除とは、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といい、国の制度として「住宅ローン減税」と呼ばれる事もあります。
個人が住宅借入金等を利用して居住用家屋の新築、取得又は増改築等をした場合で、一定の要件を満たすときに、その取得等に係る住宅借入金等の年末残高の合計額を基にして計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するというものです。
住宅ローンを組んで入居した1年目は確定申告、2年目以降は年末調整での手続きを行います。
控除額は、物件の種類や消費税率、所得税額によって異なります。
控除期間は原則10年ですが、一定の要件を満たす場合、控除期間が13年となる特例が創設されています。
1.住宅ローン控除の主な要件
■住宅の床面積(登記簿面積)が50平米以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること
■住宅ローンの返済期間が10年以上であること
■社内融資などの場合は、利率が0.2%以上のもの
■控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること
■住宅を取得後6カ月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいること
■居住の年の前2年、後3年の計6年間(※1)に、それまで住んでいた住宅の売却等により「3000万円特別控除」や「特定居住用財産の買換え特例」などの適用を受けていないこと
(※1)2020年3月31日以前に住宅を売却した場合は、居住した年とその前後2年ずつの計5年間
■中古住宅の場合は以下3つのいずれかを満たすもの
(1)マンションなど耐火建築物は築25年以内、木造などは築20年以内
(2)一定の耐震基準をみたすことが建築士等によって証明された住宅
(3)購入後に耐震改修工事を行い、建築士等によって一定の耐震基準に適合すると証明された住宅
2.控除期間13年の特例の全体像
通常10年である控除期間が13年に延長される特例措置には、下記の3種類(特別特定取得、コロナ特例、特別特例取得)があります。
こちら以外は原則の控除期間10年になります。
■特別特定取得
2019年度改正
立法趣旨→消費税率引上げ、反動減対策
住宅の取得等に係る消費税→10%
コロナ影響→問わない
契約期限(注文住宅新築)→問わない
契約期限(分譲住宅取得、既存住宅取得、増改築等)→問わない
入居期限→2019年10月~2020年12月
■コロナ特例
2020年度改正
立法趣旨→コロナ、緊急経済対策
住宅の取得等に係る消費税→10%
コロナ影響→入居遅延
契約期限(注文住宅新築)→2020年9月
契約期限(分譲住宅取得、既存住宅取得、増改築等)→2020年11月
入居期限→2021年1月~2021年12月
■特別特定取得
2021年度改正
立法趣旨→ポストコロナ、経済対策
住宅の取得等に係る消費税→10%
コロナ影響→問わない
契約期限(注文住宅新築)→2020年10月~2021年9月
契約期限(分譲住宅取得、既存住宅取得、増改築等)→2020年12月~2021年11月
入居期限→2021年1月~2022年12月
詳しくは国税庁HPをご覧くださいませ!
3.2022年度税制改正
2022年度税制改正の焦点となっている住宅ローンの減税について、政府・与党が年末ローン残高の1%分を税金から差し引いてもらう仕組みについて、
0.7%に引き下げたうえで、残高の上限も4,000万円から3,000万円に下げる案を軸に最終調整に入っているようです。
現在の仕組みでは、年末ローン残高4,000万円を上限に1%分を所得税などから差し引いてもらえるため、年間で最大40万円が減税されますが、2021年の年末までに入居するケースが対象でした。
調整案では、残高の上限を3,000万円とし、控除率を0.7%に引き下げて、最大減税額を年間21万円とする考えが進んでいるようです。
不動産価格が上昇する中で、住宅ローン残高の上限が引き下がるとなると今ご購入を考えていらっしゃる方々にとって悩ましい決断になるのではないでしょうか。
今後、返済の持続性を冷静に判断していく必要が出てきます。
何かお困りごとございましたら、チェスナットへご相談くださいませ!
★お問い合わせはこちらから