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第70回:「交際費」について

2018年8月15日

今回の税務トピックは、中小法人で交際費を経費で損金算入(税法上、経費として認める事が)できるルールについてご紹介いたします。

4月から経理業務に携わることになられた方もいるかと思います。
ご存知の方も多いかもしれませんが、改めて月次業務について纏めてみました。

  1. 交際費を損金算入(税法上、経費として認める事が)できる会社の規模と金額
    • 会社の規模
      中小法人の場合、一定額の交際費が経費として認められます。
      ここでいう中小法人とは、期末の資本金の額あるいは出資金の額が1億円以下である法人を指します。
      (ただし、資本金5億円以上の法人の完全支配会社等は、中小法人から除かれます。
      法法66-6、67-1、措法57の9-1より)
    • 損金算入(税法上、経費として認められる事が)できる金額
      平成26年4月1日以後に開始する事業年度、損金算入限度額は次のいずれか大きい方の金額となります。
      (1)年間800万円まで
      (2)交際費のうち、飲食に要する費用の50%

    例)年間の飲食代が2,000万円の場合、損金算入限度額は、(1)800万円
    (2)2,000万円×50%=1,000万円
    となり、上記(2)を適用する方が経費にできる額が多いので有利となります。
    ちなみに、上記会社の規模に該当しない法人においては、(2)のみが適用できます。

  2. 飲食費1人当たり上限5,000円までは交際費の対象外にできる
    交際費の中でも、特に多くなるのが飲食店での飲食費です。
    飲食費は企業規模に関わらず、「1人当たりの金額が上限5,000円まで交際費から除く」という規定があり、交際費以外の費用として経費になる[会議費]として損金算入するのが一般的です。

    この規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。
    イ)飲食等の年月日
    ロ)飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
    ハ)飲食等に参加した者の数
    ニ)その費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地
    (店舗がない等の理由で名称又は所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の名称、住所等)
    ホ)その他参考となるべき事項

    ちなみに、当然ですが身内(役員以外の家族)との飲食代金などは交際費として認められません。

  3. 交際費の損金算入の申告について
    該当する交際費については、法人税申告書別表15「交際費等の損金算入に関する明細書」への記載、添付が必要になります。

損金算入の制度が選択できるようになったため、中小企業の方は交際費の金額を改めて確認する事で、実は損金計上額が増えているかもしれません。
日頃の取引先との会食で月にどのくらいの支出をしているのかなど振り返り、自社の交際費の現状について今一度確認してみるのも良いかもしれません。

以上、ご不明な点等あればチェスナットへお問い合わせください!