2017年1月20日
今回は、前回の税務・労務トピックでも取り上げた医療費控除の特例として、平成28年度税制改正により創設された「セルフメディケーション税制」についてお届けします!
- 制度の概要
- 対象となる方
- 一定のOTC医薬品とは
- 確定申告に必要な書類
- その他注意点
セルフメディケーションに係る医療費控除の特例とは、一定の健診を行っている個人が、平成29年1月1日から33年12月31日までの間に一定のOTC医薬品の購入を行った場合、その年間購入金額のうち12,000円を超える部分の金額(上限88,000円)について、その年分の所得金額から控除することができる制度です。
つまり、従来の医療費控除制度の適用条件である年間の医療費自己負担額が10万円を超えなくても、対象となるOTC医薬品の年間購入額が12,000円を超え、一定の健診(特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診)を行った方が適用を受けられる可能性がある新しい制度となります。
以下の3つの事項の全てに該当する人が対象となります。
(1)所得税、住民税を納めている。
(2)健康の維持増進および疾病の予防への取組として申告予定者が一定の取組を行っている。(特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診)
(3)一定のOTC医薬品を年間12,000円を超えて購入している。(扶養家族分を合算可能)
OTC医薬品とは、医師によって処方される医療用医薬品から転用された一般用医薬品等のうち、定められた有効成分が含まれているものをいいます。
対象となる「一定のOTC医薬品」は、厚生労働省のホームページ等で公表されており、28年10月17日時点では
1,525品目が公表されております。下記URLをご参照ください。
厚生労働省
URL:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html#HID1
厚生労働省は必要に応じて2ヶ月に1回見直しを行い、更新することを予定しているとの事です。
当該制度を適用するには、次の事項を記載した証明書類(レシート等)が必要です。
(1)商品名
(2)金額
(3)当該商品が当該制度対象商品である旨
(4)販売店名
(5)購入日
当該制度を適用した場合には、従来の医療費控除は適用できません。
購入したOTC医薬品の代金に係る医療費控除制度については、従来の医療費控除制度とセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)のどちらの適用とするか、ご自身で選択することになりますので、ご注意下さい。