事例紹介

両立支援等助成金(出生時両立支援コース)

2025年12月17日

今回は、厚生労働省が実施する両立支援等助成金 の中から、出生時両立支援コースの活用事例をご紹介します。両立支援等助成金には複数のコースがありますが、いずれも 育児や介護を行う従業員が仕事と両立できるよう支援した企業に対して支給される制度です。

 

A社 ご相談内容

育児休業を取得する男性社員がいるが、助成金の受給は可能か?

 

チェスナットの取り組み

両立支援等助成金の出生時両立支援コースをご案内しました。男性労働者が子の出生後8週間以内に育児休業を開始できるよう、企業が雇用環境整備や業務体制を整えることを支援する制度です。必要な整備を行い、実際に男性育児休業の取得者が出た場合に助成されます。

まず、顧問先企業者が、支給要件に当てはまるかどうか、確認をしました。
以下の ①〜⑥ のすべてを満たす必要があります。

①育児休業取得を促進するための雇用環境整備を所定数実施していること
②育児休業取得者の業務を代替する社員の負担が過重にならないよう、業務見直しに関する規定を策定し、規定に基づいた業務体制の整備を行っていること
③男性労働者が、子の出生後8週間以内に育児休業を取得すること
④育児休業制度が、就業規則等に明文化されていること
⑤「一般事業主行動計画」を策定し、労働局に届け出ていること
⑥対象労働者を、育児休業開始から申請日まで継続して雇用していること

 

顧問先企業様では、要件①「雇用環境整備」として、次の2つを実施されました。

・育児休業に関する相談体制の整備
・育児休業制度および取得促進に関する方針の周知

この企業様では、社内WEBページに産休・育児休業制度の説明資料を掲載し、問い合わせ窓口として人事担当者様の氏名を明記されていました。このため、相談体制の整備 が確認できました。
一方、「育児休業取得促進の方針」については制度説明のみで、企業としての方針が明文化されていなかったため、次の内容を加筆しました。

・企業として育児休業取得を推進する姿勢
・取得者目標割合 など

 

さらに、要件②に対応するため、育児・介護休業規程を改定し、育児休業取得者の業務代替者の負担を軽減するための業務見直しを行うこと を規定に明記しました。その上で、規定に基づき、実際の業務体制の整備も行いました。
また、要件⑤の「一般事業主行動計画」については未届の状態であったため、当事務所にて策定および届出を支援しました。

 

ご相談いただいた 結果

これらの整備と届出が完了し、無事申請・受給決定しました。また、企業様からは「助成金の受給だけではなく、会社の育児休業体制が確立・社員周知でき、社員が定着する一助となった」、との嬉しいお言葉を頂きました。

この助成金は、規定整備・制度運用・従業員周知など、複数のステップに対応する必要があり、専門的な知識が求められます。

男性の育児休業の取得は拡大しつつあり、助成金活用は企業にとって大きな支援となります。
助成金の適切な活用や制度整備をご検討の際は、ぜひチェスナットにご相談ください。