事例紹介

特定適用事業所「非該当」の社会保険加入要件の事例

2025年8月20日

特定適用事業所「非該当」の社会保険加入要件についてご相談いただいた事例をご紹介します。

 

特定適用事業所とは

特定適用事業所とは、1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業等のことです。

・厚生年金保険の被保険者数の総数の考え方

法人事業所の場合は、同一法人格に属する(法人番号が同一である)すべての適用事業所の被保険者数の総数、個人事業所の場合は、適用事業所単位の被保険者数です。

・企業規模要件

特定適用事業所に該当する適用事業所の企業規模は段階的に拡大され、令和6年10月から、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く短時間労働者は、健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。

 

ご相談の経緯

建設業、法律業を営むお客様から、「ご自身で社会保険加入を希望している時給制パート入社者で、週の所定労働時間が20時間以上、所定内賃金が月額8.8万円以上の主婦の方を雇用したいと思います。近年、法改正がありました短時間労働者に該当するので、社会保険加入できますでしょうか。」とご相談をいただきました。

昨今、短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大されたことを懸念されたご質問かと思います。

 

チェスナットの取組

① 加入要件の整理

給与計算及び社会保険手続き顧問を委託いただいており、現状、強制適用事業所に該当かつ社会保険加入総数を把握している為、特定適用事業所「非該当」により、「1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上であること」が社会保険加入要件になるので、本件について社会保険加入できないことをご案内しました。

② 任意特定適用事業所のご案内

厚生年金保険の被保険者数が特定適用事業所の基準に満たない企業等であっても、被保険者の同意に基づく事業主の申し出により、短時間労働者の適用拡大の対象事業所(任意特定適用事業所)になることができますが、注意事項をご案内いたしました。

1. 短時間労働者の要件に該当する方は一律、社会保険加入が必要です。
 社会保険扶養範囲内で働きたい方の採用は難しくなることが想定されます。
2. 任意特定適用事業所を取消する場合、短時間労働者の要件に該当する方は一律、社会保険加喪失となります。
3. 会社の社会保険料負担額が増えます。

 

ご相談いただいた結果

社会保険加入は見送り、国民健康保険と国民年金にご自身で加入されることとなりました。

 

チェスナットでは、社会保険加入有無の給与シミュレーションや、任意特定適用事業所の手続きを承っております。従業員の笑顔は、事業の発展につながります。ご興味を持たれましたら、ぜひチェスナットにご相談くださいませ。