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第153回:電子取引制度~電子取引の電子保存義務化~

2021年11月17日

皆さま、こんにちは!
街路樹も色づきはじめ、ようやく秋らしくなって参りました。
昼夜の寒暖差も激しくなってきましたので、皆さまお身体ご自愛くださいませ!

さて、今回の税務会計トピックでは令和3年税制改正、電子帳簿保存法の見直しにより、令和4年1月1日から施行となる「電子取引制度~電子取引の電子保存義務化~」について扱って参ります。
電子取引制度とは、注文書や請求書、領収書等の取引情報を電子メール等の電磁的方式にて授受する取引を「電子取引」といい、法人や、個人事業者が電子取引で交付、又は受け取った請求書等に係る取引情報を電磁的記録(電子データ)で保存する制度となります。
令和4年1月1日以降に発生した電子取引を電子保存していない場合、重加算税の加重や青色承認取消措置等の罰則が課される可能性もございますので、今年中に準備をしておく必要があります。

そこで、どのような書類が電子取引に該当し、どのように保存するべきか具体的に電子取引制度についてご説明します。

1.電子取引の種類

(1)電子メールにより請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領、送付
・見積書、注文書、請求書、領収書データ等、メールにて受け渡しする書類データ
・受領、送付したメール本文に請求書等に係る取引情報が記載されている場合には
当該メールも保存対象
・自社で作成した請求書や見積書を書面印刷し、社判押印後、PDF等データファイルにて
先方にお送りした場合には、書面ではなく、データでの保存が必要

(2)インターネットのHPからダウンロードした請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)またはHP上に表示される請求書や領収書等の画面印刷を利用
・Amazon、Yahoo!、楽天等ネットショッピング利用時の請求書、領収書等
・ネット決済関連書類

(3)電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスを利用
・「マネーフォワード クラウド請求書」、「freee」等のクラウドサービスにて請求書作成保存、送付している場合やクラウド上でデータを受領した場合等

(4)クレジットカード利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、
スマートフォンアプリによる決済データ等を利用したクラウドサービスを利用
・PayPay、LINEPay等のスマートフォンアプリを使用した場合、
決済画面のスクリーンショットデータが保存対象
・社員立替経費の領収書を上記電子データで受領した場合

(5)特定の取引に係るEDIシステムを利用
・ネットバンキングの振込明細
「振込先名」や「金額」、「日時」といった銀行窓口で振込等をした場合に受領する控えに相当する
情報が表示されたものが電子保存対象
※「振込依頼を受け付けた旨」のみが表示されている場合には、電子取引情報に該当せず、
電子データ保存は不要

(6)ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用
FAXは一般的に送信側も受信側も送受信したデータを書面にて確認、保存することを
前提としていますが、ペーパーレスFAX機能を持つ複合機で、授受した請求書や領収書等の
データを書面出力せず、電子データとして保存する場合は、電子取引に該当します。

(7)請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領

2.電子取引の保存方法

従来の書面保存ではなく電子保存を行うにあたり、真実性や可視性を確保するために、
国税庁では下記3つの要件を設定しています。

要件1:電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け
要件2:見読可能装置(ディスプレイ・プリンター)の備付け
要件3:検索機能の確保
※検索機能の確保とは具体的に下記の通り国税庁の電子帳簿保存法一問一答にて明記されています。
・取引年月日、その他の日付、取引金額その他の主要な項目を検索条件として設定できること
・日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること
・二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できること
(出展: https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0020006-168_03.pdf )

この3つの要件を満たす保存方法として、下記4つの方法が挙げられています。
(1) タイムスタンプが付与されたデータを受領
(2) 受領後遅滞なくタイムスタンプを付与
(3) データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は
訂正削除ができないシステムを利用
(4) 訂正削除の防止に関する事務処理規程を策定、運用、備付け
事後的な確認のため、検索できるような状態で保存することも必要

(出展: https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07denshi/02.htm#a009

(1)~(3)についてはタイムスタンプが付与できるスキャナーの導入や、訂正削除ができないシステム等の導入が必要となり、時間と費用がかかってしまいます。
そこで、今年中に電子取引制度に対応するには、(4)の事務処理規定を策定、運用、備付することが
オススメの方法です。
(4)事務処理規定については国税庁のHPより法人用、個人事業者用それぞれ「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」サンプルがダウンロードできます。
(ダウンロードページ:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm)

サンプルにも記載がございますが、事務処理規定において
・電子取引の範囲
・電子取引対象となるデータ情報 を明記する必要がございます。

事務処理規定の作成に際し、まず自社の取引関係書類のうち
電子取引に該当するものがどれだけあるのか、その電子取引内容が具体的にどのようなものか
精査することから、始めて頂ければと思います。

なお、今回ご説明させて頂いた電子取引の電子保存義務化につきましては、自社における電子データの
保存を義務付けるものであり、社内の経理処理のための業務や税理士、公認会計士とのやり取りに
ついては、従来通り紙ベースで行うことが認められております。
郵送にて月次資料を授受している弊社の顧問先様におきましては、従来通り書面出力して頂いたものをお送り頂く方法で問題ございません。

令和4年1月1日以降発生の電子取引より電子保存が義務化されますので、
・自社の電子取引内容精査
・事務処理規定の作成   からご準備を進めて頂ければと思います。
ご準備される中で、ご不明点等ございましたら、ぜひチェスナットまでお問合せください!
最後までご覧いただきありがとうございました!

 

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