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第150回:年末調整の電子化

2021年10月20日

皆さまこんにちは。
2021年も残すところあと3ヶ月となり年末まであっという間ですね!年末といえば皆さまおなじみの年末調整がやって参りますが、この年末調整、実は昨年より電子化によるペーパレスの動きが進んでいることはご存じでしょうか?
昨年はこの「年末調整の電子化」を始めるにあたり事前に税務署への届出が必要でしたが、今年からこの事前届出が不要になり更に開始しやすい状況になっています。
今月の税務会計トピックはこの「年末調整の電子化」のメリット・デメリットについてと、国税庁が提供している無料の年末調整ソフトの利用方法についてご案内します。

Ⅰ.年末調整の電子化のメリット・デメリット

まず年末調整の電子化とは、これまで会社が年末調整申告書の用紙を配付し、その用紙に従業員が手書きして提出することにより行われていた年末調整を、書面では行わず電子データを使い行うことです。
また今まで書面で提出していた生命保険・地震保険・住宅借入金などの控除証明書も電子データで取得し提出することが可能です。
次の2つを実施することで年末調整手続きのデータ処理が可能となります。

1. 従業員が控除証明書等を電子データで取得して、そのデータを利用し年末調整申告書データを作成する
2. 会社が従業員から1.で作成した年末調整申告書データおよび控除証明書等データの提供を受け、これを利用して年間の所得税額などの計算を行う

年末調整を電子化するメリットを会社側と従業員側それぞれから詳しくみていきましょう。

会社側のメリット

• 従業員への書類の配付や回収の手間が省ける
• 控除証明書等の電子データを利用すれば添付書類の控除額と申告書への転記内容の確認が不要となる
• 電子データ保存により申告用紙の保管が不要となり書類保管コストも削減できる

従業員側のメリット

• 保険会社などから届く控除証明書を集めて管理する手間が省ける
• 保険会社などから必要な情報を電子データで受け取ることで、控除申告用紙に転記する必要がなくなる
• 電子データを利用することで控除額が自動計算される
• 氏名・住所などの基礎情報を一度に登録すれば複数枚の書類に自動入力されるため記入する手間が省け、翌年度以降も情報を引き継ぐことができる
年末調整に関するデータを電子化することによって、会社と従業員双方の事務処理負担を軽減することができる一方で、懸念事項(デメリット)もあります。

会社側のデメリット

• 給与計算システムの仕様変更や改修が必要となる場合がある
• 従業員へ年末調整を電子化することの周知が必要である
• 不慣れな従業員のために手続き方法のフォローが必要である

従業員側のデメリット

• 保険会社や金融機関などの各会社・機関の取得方法に従って、控除証明書データを取得する必要がある
• 電子データの作成に必要な専用ソフトの利用方法を覚えなければならない

電子化のメリットは手書きと手動の計算がなくなることが大きなポイントです。
デメリットとしては従業員各自でソフトをダウンロードして電子データを作成するので、そういった作業が不慣れな方には少し難しいかもしれません。
ただ一度導入してしまえば基礎情報は翌年に引き継がれるので、会社側・従業員側ともに得られるメリットは大きいと思われます。

Ⅱ.国税庁 年末調整ソフトの利用方法

電子化導入に向けて従業員の方が年末調整申告書の電子データを作成するためには、専用の年末調整ソフトが必要になります。
民間企業が提供している有料版の他に、国税庁が専用ソフトを無償提供しています。
今回はこの国税庁の年末調整ソフトの使い方についてご説明いたします。

①年末調整ソフトの入手

国税庁のHPからダウンロードが可能です。PC版とスマートフォン版があります。
年末調整手続の電子化に向けた取組について|国税庁

②基礎情報の入力

氏名・住所・マイナンバー・配偶者や扶養者などの情報を年末調整ソフトに入力します。

③保険料控除証明書データの取得

保険料控除証明書をデータで取得するためには2つの方法があります。

i. マイナポータル連携により一括取得する方法
マイナポータルは政府が運営するオンラインサービスです。このマイナポータル連携を使うと保険料控除証明書と住宅ローン控除証明書のデータが一括で取得できます。
このマイナポータル連携にはマイナンバーカードが必要になります。なおこのサービスに対応していない保険会社もあるので下記のHPで対象となる保険会社の確認が必要です。
マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧|国税庁 (nta.go.jp)

ii. 保険会社などのお客様ページからダウンロードする方法
マイナポータル未対応でも電子データの提供を行っている保険会社の場合は、各社のお客様ページより電子データをダウンロードして頂けます。

またi、iiのどちらにも対応していない保険会社の場合は従来通り書面の控除証明書の内容を手入力する必要があります。

④年末調整ソフトで作成したデータをzipファイルにして勤務先等に提出する。

以上で従業員の方が行う電子データの作成は完了です。この後は勤務先等でデータに誤りがないかを確認して給与システムに反映します。

国税庁の年末調整ソフトは無料のためコストが掛からないのが魅力です。しかしお使いの給与計算システムに対応していない場合もありますので確認が必要になります。
また大人数の年末調整を行う会社様の場合は、社員の提出状況の管理機能などが付いた民間会社提供の有料版をお使い頂いた方がより作業がスムーズな場合がありますので、会社様ごとの人数やご状況に合わせてお選び頂ければと思います。

チェスナットに年末調整をご依頼頂いている会社様では、どのような年末調整ソフトをお使いいただくと会社様・従業員様ともによりスムーズに年末調整が行えるかご相談頂けますので、ご興味のある方はぜひ一度お問合せ下さい!

 

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