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第146回:日本会計基準と国際会計基準

2021年9月15日

皆さま、こんにちは。
いきなりですが、皆さまが普段会計ソフトに入力している仕訳は「会計基準」という決められたルールに則って行われているのをご存知でしたか?

もし会社ごと好き勝手に仕訳入力等をしてしまうと、売上を大きく見せたり費用を多く計上してしまう等、公平性が保たれません。
そのため、一定の基準を設けてその範囲内で会計を行う事とされています。
これを会計用語では「一般に公正妥当と認められる会計処理」と言います。

会計基準は日本独自のものの他に米国会計基準、国際会計基準等があります。
そこで今回の経理トピックは、広い範囲から一部ではありますが、日本会計基準と国際会計基準にスポットを当て異なるポイントを2点ご説明します。

1)利益の考え方

まず最も大きな違いは、「利益」の考え方です。

【日本会計基準】では「収益費用アプローチ」と言い、収益から費用を差し引いた金額を「利益」と考えます。
「損益計算書(P/L)」を重視しており、皆さまがよく見る当期純利益を会社の業績として評価します。

【国際会計基準(IFRS)】では「資産負債アプローチ」と言い、資産と負債の差額である純資産の当期増減額を「利益」と考えます。
「貸借対照表(B/S)」を重視しており、企業価値(富)の増加を利益として捉えています。

現在の財務報告の目的は、将来の株主に対して投資意思決定に有用な情報を提供することとされています。
したがって過去の利益情報だけではなく、将来の企業成果の予想や企業価値を測定するための情報が求められるようになっているため、日本でも「国際会計基準」を採用する会社が増えてきているようです。

2)減価償却方法

日本と国際会計基準では、減価償却方法にも違いがあります。

日本では、固定資産の種類ごとに法定償却方法が決められています。
建物は定額法、機械装置は定率法といった形です。

ところが国際会計基準では、減価償却を「資産の将来の経済的便益が、企業によって消費されると予想されるパターンを反映するものでなければならない」としています。
つまり、償却方法は企業がその資産をどう使用するかで自由に決めるものとなっていることが特徴的です。

その上で、定額法、定率法、生産高比例法の3つが認められていますが、消費パターンを一番説明しやすいのは時の経過による消費パターンである「定額法」であり、国際会計基準を採用している企業の多くは「定額法」を採用しています。

それではここで問題です。

Q.日本企業と海外企業で、同じ機械装置を同じ会計期間に同時に購入し使用した場合、両社の業績はどのように見えるでしょうか?
売上は同じで費用は減価償却費だけと仮定します。

※定率法は、期首簿価に償却率を乗じて償却費を算定するため、初年度の費用計上が大きく、使用年数が進むにつれて段々と少額になっていきます。一方、定額法は取得価額に償却率を乗ずるため、毎期の費用計上額は一定です。

A.定率法を採用している日本企業は利益が少なくなり、定額法を採用している海外企業の方が利益は多くなります。
したがって投資家が両社を比べた場合、日本企業の方が業績が良くないと判断してしまう恐れがあります。

海外企業は利益が多くなるので初年度の税負担は増えてしまいますが、耐用年数全体で見れば定額法も定率法も償却費は同じであるため、トータルの減価償却費はどちらも変わりません。
また、全ての資産を定額法に一本化することで、資産管理が簡素化されるというメリットもあるようです。
 
 
いかがでしたでしょうか?今回は日本会計基準と国際会計基準の違いについて簡単にご説明しました。

今や日本企業は、国内だけでなく世界を相手にする時代です。
国際会計基準は中小企業にとってはあまり馴染みが無いかもしれませんが、会社を大きくして将来上場を考えている企業は、国際会計基準の採用を検討してみても良いのではないでしょうか。

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